ケース内を正圧(吸気重視)に保つエアフロー
さて、SilverStoneのPCケースへのこだわりといえば「正圧設計」を避けて通ることはできない。通常のPCケースの場合、排気の風量を稼ぐため「負圧設計」になることが多いが、SilverStoneではその逆で吸気力を重んじる。こうすることでケースの隙間や背面の穴から風が吹き出すようになり、暖まった排気を再び内部に吸い込んでしまうことを防ぐ……というものだ。
もちろん、このSS-TJ04Bもこの正圧設計思想の下デザインされている。これがよくわかるのが3基のファンの“向き”だ。SS-TJ04Bの場合右前方ファン、そして天井と背面に1基ずつあるが、通常排気にする天井ファンはケースに吸気する方向に取り付けられている(メモリー付近の冷却が目的らしい)。吸気が2、排気が1なので正圧、という理屈だ。もちろんファンの増設や向きを変えることは可能なので、無理に正圧にこだわらなくても使える。
ドライブ関連のギミックが満載
SST-TJ04Bのもう1つの見どころはHDD用の付属パーツの面白さ。最近のHDDは低発熱化が進んでいる上、RAID0アレイよりSSDを使った方が快適という状況になってきたが、SST-TJ04Bにはあえてこの風潮に反し、HDD用の大型ヒートシンク(高さ3.5cm)を同梱。全部で8台格納できるHDD全てをヒートシンクで覆うことができる。
さらに1個のSATA電源コネクターから4台のドライブへ電源を分岐させるケーブルもついており、ドライブを多数搭載してもスッキリとケーブリングができる点はうれしい。
また、SS-TJ04Bはドライブの収容能力の高さにも特徴がある。HDD用のドライブベイに8台格納可能なほか、底面の2.5インチ専用のベイにさらに6台格納できる。2.5インチ専用ベイはケース底面にネジ留めするため、ドライブをとっかえひっかえ使うユーザには使い勝手は悪いが、ストレージデバイス満載のPCを組みたいならかなり便利に使える機能だ。
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