軽量化しつつも強度と制振性を確保
メンテナンス性の高さもバッチリ
単純に人気シリーズのいいとこどりをしてみました、で済ませてないのがこのケースのよいところ。P18xでは側板などが異常なまで重厚に作ってあったが、本製品ではややベクトルを変えている。側板をスチールにポリカーボネートの内張りにすることで軽量化しつつも強度と制振性を確保している。
P280の本領は拡張性とメンテナンス性の高さにある。最近のPCパーツはどんどん静音&省電力志向になってきたので、こちらの要素がPCケース評価の主軸になりつつある。
P280はその点基本はしっかりしている。大きく切り取られたCPUカットアウト(約140×220mm)に310mmクラスの超大型ビデオカードも収容可能な大きさに加え、ワンタッチ着脱が可能なエアフィルターなどの守りの要素もしっかり確保している。
トレイにドライブを1台1台ネジ留めするドライブベイは好みが分かれるところだが、着脱時にマザーに干渉しにくいよう横向きにベイが設置されているところは評価したい。
P18xで見せたマニアの心を揺さぶるような作りが消えたのは残念だが、PCケースでのマニアックさというのは両刃の剣どころか、逆に製品寿命を縮めてしまいかねない要素だ。
その点P280は汎用性が高く、どんなパーツで組んでも無理なく組み込める安心感がある。P18xの発展後継モデルとは考えず、使い勝手を重視した製品として捉えた方が、この製品の本質を正しく掴めることだろう。
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