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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第161回

グラフで見るインテルCPUアーキテクチャーとプロセスの進化

2012年07月23日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 今回からは趣向を変えて、CPUアーキテクチャーの変遷について解説していく。アーキテクチャーの進化については、テクノロジー別に見た解説を連載66回から12回連続で解説している。今回は製品別に解説し、少し近未来の話まで追加していければと思う。

プロセルルールと最高動作周波数で
インテルCPUの変化を振り返ると……

 1回目は、「インテルCPUに見るプロセスの変遷」について解説しよう。対象となるのは、下の表に示した5グループ17製品である。

P6からIvy BridgeまでのインテルCPUの変遷
製品グループ コード名 プロセス(nm) 最高周波数(GHz) ダイサイズ(mm2) 総トランジスター数(万個) GPUトランジスター数(万個) コア数 2次キャッシュ(KB) 3次キャッシュ(KB)
P6 P6 600 0.23 306.0 550 1
Klamath 350 0.30 203.0 750 1
Katmai 250 0.60 128.0 950 1
Coppermine 180 1.13 100.0 2800 1 256
Tualatin 130 1.40 80.4 4400 1 512
P4 Willamette 180 2.00 217.0 4200 1 256
Northwood 130 3.40 146.0 5500 1 512
Prescott 90 3.80 112.0 12500 1 1024
CedarMill 65 3.80 81.0 18800 1 2048
Pentium M Banias 130 1.70 82.0 7700 1 1024
Dothan 90 2.27 87.0 14000 1 2048
Yonah 65 2.33 90.3 15160 2 2048
Core 2 Conroe 65 3.00 111.0 16700 2 2048
Melom 45 3.33 107.0 41000 2 6144
Core i7 Nehalem 45 3.73 296.0 77400 4 1024 8192
Sandy Bridge 32 3.90 216.0 99500 11400 4 1024 8192
Ivy Bridge 22 3.90 160.0 140000 45600 4 1024 8192

 「なぜPentiumを入れなかったか」と言えば、「アウトオブオーダーを実装したプロセッサー以降」というくくりにしたためだ。このあたりの詳細は後述する。ちなみに、「Yonah」を「Pentium M」のグループに入れたことには異論のある方もおられようが、アーキテクチャー的には「Dothan」×2で2次キャッシュを共有にしただけ(それと微細化)なので、この分類としている。

 それではプロセスルールを軸に、各々の特性を見てみる。まずは「微細化による動作周波数の向上」が、どこまで維持できたのかをグラフ1で示した。プロセスルールと最高動作周波数をプロットしたグラフである。ちなみにCore i7シリーズについては、定格の最大動作周波数ではなく、ターボブースト有効時の最大動作周波数をプロットしているが、大勢に影響はない。

グラフ1 プロセスルールと最高動作周波数の変化

 グラフ中に朱色の破線で示したのが、平均的なプロセスと動作周波数の関係である。ここでわかるのは、250nm(Katmai、0.6GHz)あたりから65nm(Conroe、3GHz)あたりまでは、プロセスルールと最高動作周波数の関係がほぼ直線ということだ。もっとも、グラフ1ではプロセスルールが対数軸なので、直線的に見えているだけである。

 例えば横軸を通常の方式に戻したグラフ2では、グラフが指数級数的に増加して見えており、この先どんどん動作周波数があがりそうに見えてしまう。これはグラフのマジックであって、実際にはグラフ1のように対数軸で見るほうが正確である。

グラフ2 プロセスルールと最高動作周波数の変化(通常形式)

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