このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

楽天koboがいよいよスタート! 編集部でも使ってみた

2012年07月20日 11時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

端末から見られるストアは
英語書籍ばかり!?

 さっそくいくつか電子書籍を買おうと、ストアを操作してみたところ、ストア側の挙動がどうもおかしい……いや、おかしくはないのかもしれないが、かなり変わった動作を示している。お勧め書籍を表示する「ディスカバリー」には、日本の書籍や漫画がいくつも提示されているが、ストアからジャンルを選んで書籍を探そうとすると、なぜか英語の本ばかりが並ぶ。日本語の書籍が見当たらない……。

ストアで「コミック・グラフィックノベル」のジャンルを選ぶとこのとおり。アメコミも嫌いではありませんが、日本の漫画を表示していただきたいのですが……

 「言語設定が間違っていたのか?」「もしかして時計のタイムゾーン設定を見て、リージョンをわけているのか?」と考えてみたが、いずれも無関係で理由がわからない。楽天koboの特徴に、「日本語以外の言語も含めると240万冊以上」(うち日本語は3万冊程度)という洋書ラインナップの豊富さがある。とはいえ、やはり日本の読者としては、ストアには日本語の書籍を優先表示してもらわないと困る。こちらのミスでなければ、改善を期待したい。なお、ストアのジャンル別などでは表示されないが、検索機能から書名を入力して探せば、日本語の書籍もきちんとヒットする。

サンプル(プレビュー)が提供されている「織田信奈の野望」を表示。絵の傾向にもよるが、アニメ調の輪郭がはっきりした絵は電子ペーパーでもキレイに見える

「テルマエ・ロマエ」を購入してみた。楽天のアカウントにクレジットカード情報を登録してあれば、なんの手間もかからず簡単に購入できるのはとても楽

 今回はいくつかのコミックを買ってみたのだが、楽天koboは楽天のアカウントでログインから決済までできるので、手間いらずなところが便利だ。ASCII.jp読者の方にも、すでに楽天市場などで買い物をするために、アカウントを作りクレジットカード情報を登録している人は少なくないだろう。その場合、楽天のアカウントとパスワードでログインしておくだけで、なんの手間も要らずに書籍を購入できる。

 既存の電子書籍サービスは、ほとんどが新しく立ち上げたサービスばかりで、書籍を買うにはサービス利用時にアカウント作成し、必要ならクレジットカード情報の入力まで行なう必要がある。こういう手続きはどうやっても面倒なものだし、ましてやパソコンに比べて画面が小さく画面書き換えも遅い電子ペーパー端末で、そうした入力作業をするのはかなりの苦痛だ。楽天koboとkobo Touchはその点、非常に手軽に始められる電子書籍端末・サービスとなっているのは評価したい。

最大の特色 Facebook連携は何ができる?

kobo Touchの設定画面。一般的な項目が並ぶ中に「Reading Life」という見慣れない項目が……

Reading Lifeを有効にしておくと、端末からFacebookに投稿できる

 楽天koboとkobo Touchの他にはない特徴が、Facebook連携機能「Reading Life」である。用意されている機能は2種類。本を読みながら感想やコメントを投稿する機能と、kobo Touchで読書していると獲得できる「バッジ」を投稿する機能だ。

 コメント投稿はユーザーが入力するコメントに、読んでいる本の書名とサムネイル、書籍の説明文が自動で付いて投稿される。自分の読んでいる書籍を友人たちに知らせたい、というときに便利そうな機能だ。
※ 基本的にサムネイルは表紙画像のはずだが、記者が買った「進撃の巨人 attack on titan」は、表紙以外の画像がホーム画面に表示され、Facebookにもその画像が投稿された。

 「バッジ」の投稿というのは、Xbox 360やプレイステーション3、パソコンなら「Steam」プラットフォームのゲームで使われている「実績」機能の電子書籍版とでも言えば、適当だろうか(ゲームをしない人にはわかりにくくて申し訳ない)。設定された条件を満たすとバッジをもらえて、自分がどれくらい端末やサービスを使い込んでいるかがわかる、という仕組みだ。

バッジの一覧画面。左上はスタート直後にもらえるバッジで、グレイアウトしているのが条件を満たすともらえるバッジ

プレインストールされた書籍を読み始めたら、画面下にバッジの取得が通知された。得たバッジの情報はFacebookに投稿できる

 ゲーマー同士の間で相手のゲームのやり込み具合がわかる「実績」とは違い、Reading Lifeのバッジを獲得しても、個人的な満足感しか得られないかもしれないが、読書を軸に新しい楽しみを見いだそうという試みとしては興味深い。Facebookユーザー限定なのは物足りないので、例えばTwitterへの投稿もできるといいのだが。

 駆け足でのファーストインプレッションとなってしまったが、非常に安価な端末と楽天のアカウントを使える手軽さは、ほかの電子書籍端末にない魅力である。日本の電子書籍市場に大きなインパクトを与えるかもしれない。

■関連サイト

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン