このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 第21回

「PairGB SIM」で“縛り”のない通信量ダイエットはできるか!?

2012年07月19日 12時00分更新

文● 正田拓也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

公衆無線LANオフロードでLTE通信量をダイエット

日当たりのよい場所なのでわかりにくいが、公衆無線LANに接続しているときは“Wireless”の表示が緑色に光る

日当たりのよい場所なのでわかりにくいが、公衆無線LANに接続しているときは“Wireless”の表示が緑色に光る

 実際に公衆無線LANへのオフロードはどのくらいになるのかを検証してみたところ、やはり通信の大部分を公衆無線LANで済ませることができる結果となった。

 実験したのはある平日の午後。秋葉原のカフェでウェブブラウジングと動画視聴をし、それから飯田橋へとJRで移動。途中、駅のベンチでメールのチェックもして、飯田橋のカフェで少し原稿をまとめ、少し大きな原稿データを送信するという一連の作業だ。

 PCを開くのはカフェとJRの駅のベンチ。いずれもdocomo Wi-Fiのエリアなのでうまくいけばほぼ無線LANで通信を済ませられるかもしれない。

 ちなみに、モバイルルーターはBF-01Dを使い、LTE回線と公衆無線LANの切り替えは公衆無線LAN優先と設定するほかは完全にBF-01D任せにした。実際にノートPCの全体の通信量は169.4MBほどで、LTE回線のデータ通信量は6.9MBに抑えることができた。

JRの駅のホームでは必ずしも
無線LANが入るわけではない?

ある平日午後の実験で、LTEを使った回線比率はわずか約4%

ある平日午後の実験で、LTEを使った回線比率はわずか約4%

 グラフのとおり約96%まで公衆無線LANの通信で済ますことができた。少しだがLTEの通信を使ってしまった理由は、JRの駅で無線LANの電波が入らなかったためで、詳しく調べてみると、JRの駅のアクセスポイントはホームでなく、構内の商業施設にあることが多かった。地下鉄の駅ではホームで電車待ちの時間に無線LANが使えるのとは対照的だ。

 また、試した時間は夕方だったのでLTEでデータ通信の混雑という問題も回避できた。実験では同様のことをすべてLTE通信で行なうこともやってみたが、数十MBというファイルを送信しようとした場合、LTEの通信では大幅に時間がかかった。

 一方の公衆無線LANでは夕方の混雑した時間帯でも安定してデータが流れるので、仕事もサクサク進み、結果として作業時間の短縮も実現している。

 今回は実験ということでオンラインの動画の視聴やデータのダウンロードなどを行なったため、実験時間内のデータ容量が170MBまで膨れ上がってしまった。普段の筆者の使い方で情報収集にネットを1~2時間程度使うなら、1日に使うデータ容量は30~40MBといった程度。これを30日間繰り返したとしても1GBを少し越える程度だ。

 意識して公衆無線LANを使うようにすれば、月間2GBに抑えることはけっこうたやすいことなのかもしれない。

月額3285円の高速通信は快適!
ただし公衆無線LANのエリアをよく確認!!

 最後に、BF-01Dとb-mobileのSIMを組み合わせた、秋葉原における平日夜の通信速度の実測結果を示す。なお、SIMはPairGB SIMを使いたかったが、製品の貸し出しが難しいということで、同等の回線が使えるという「b-mobile4G WiFi2 100日パッケージ」のSIMを使用している。

下り通信速度の測定結果(単位はMbps)

下り通信速度の測定結果(単位はMbps)

上り通信速度の測定結果(単位はMbps)

上り通信速度の測定結果(単位はMbps)

 数値の上でもあらためて公衆無線LANの高速さと快適さに気付かされた。これなら、むしろLTEの通信はほどほどにして、公衆無線LANばかりを使いたくなる。

 しかもBF-01Dなら自動で接続先を変更してくれ、公衆無線LANとの組み合わせにぴったりだ。最初からb-mobileでBF-01Dを使いたい場合は、中古市場などで調達することになるが、7月中旬現在の中古相場は1万5000円程度。

 最初からXiで契約すれば新品が一括0円で入手できる店もあることからすると少々割高感もあるが、b-mobileで通信をはじめる際はモバイルルーターを自力調達しなければならないことを考慮すれば、妥当ではないだろうか。

作業をするならWIRELESSの表示が青(LTE接続)や水色(3G接続)になるカフェは避けなければならない

作業をするならWIRELESSの表示が青(LTE接続)や水色(3G接続)になるカフェは避けなければならない

 ただ、公衆無線LANを使う場合には、事前にしっかりエリア(スポット)を調べておき、自分の行動範囲で使える場所は把握しておいたほういいだろう。人によっては行動範囲に公衆無線LANが使える場所がほとんどないという人もいるからだ。ぜひ、公衆無線LANを組み合わせ、格安で快適な通信環境を整えてもらいたい。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン