都心の若者たちを飽きさせないための「超会議」
ドワンゴが18日、今年4月28~29日に開催したイベント「ニコニコ超会議」(関連記事)の今後について記者会見をひらいた。
超会議の最終赤字額は冒頭の写真が示すとおり約4億7000万円と巨額だが、ドワンゴ・川上量生会長は企画したときから「1億円まで(の赤字)はいいと言っていた」とも話し、来年の同時期には第2弾となる「ニコニコ超会議2(たぶん)」を開催すると発表した。
「初めてのことだったので、どれくらいお金をかけたら何ができるというのがわかっていなかったんですよね。『これも必要、あれも必要』とやっていった結果こうなってしまった。次回はもうすこし計画性をもってやれると思います」
赤字が予想の約5倍までふくらんだ理由について話す川上氏の口調はとても大らかで、余裕さえ感じる。採算度外視のイベントを開くのはもちろん理由がある。
1つはよく言われるように、イベントそのものがスポンサー企業への宣伝であるということ。イベントに出展してもらい、また報道をつうじてニコニコ動画を知ってもらい、公式チャンネルや広告出稿といった形で宣伝費を獲得できる。次回は「超会議を応援してくれる企業を募集する」とのこと。そこである程度の赤字は補てんする構えだ。
だが、それより重要なのは「ユーザーが楽しめるイベントにできたところ」(川上氏)。ニコニコ動画の収益をになっているのは、動画の作者と、10~20代を中心とする若い有料会員たち。彼らにそっぽを向かれてしまったらニコニコ動画は成立しなくなる。彼らを飽きさせず楽しませるため、どう考えても赤字の“ニコニコ動画ならでは”の事業に巨額を投じたのが超会議であり、ここ2~3年のニコニコ動画だった。