マイクロソフトは、Windows 8に合わせて登場する次期「Office」のプレビュー版を、同社サイト上で公開した。プレビュー版は評価用のベータ版で、利用期間限定ながら無償でダウンロードできる。
今回プレビュー版が公開された次期Officeは、個人ユーザー向けの「Office Professional 2013」のほか、小規模事業者向けの「Office 365 Small Business Premium」、エンタープライズ向けの「Office 365 ProPlus」「Office 365 Enterprise」が含まれている。
実際に発売されるエディションや発売時期などについては公表されていない。動作環境は対応OSのみが発表され、Windows 7/8となっている。
Officeの競合は旧バージョンのOffice
だからこそ時代の変化に合わせたOfficeを提供する
今回の公開にあわせて、日本のメディア向けの記者説明会が開催され、日本マイクロソフト業務執行役員 Office ビジネス本部本部長のロアン・カン氏が登壇した。
日本におけるOfficeは、現行バージョンの「Office 2010」が過去のバージョンと比較して、販売ライセンス数の伸びが最速であるなど好調を維持している。その状況下で登場する次期Officeにとっての最大の競合は旧バージョンのOfficeと言える。
では、なぜOfficeの新バージョンが登場するのか? その理由として、技術の変化の速さであるとする。具体的な変化としては「デバイス」「クラウド」「ソーシャル」の3点を挙げた。74%以上のインフォメーションワーカーはPCやスマホ、タブレットなど、2台以上のデバイスを保有し、50%以上の企業がクラウドに移行、また移行段階にあり、そして82%のインターネットユーザーがSNSを利用している。この状況に合わせて作られたのが、次期Officeである。
まずデバイスでは、キーボードとマウスのみならず、タッチパネルやペンによる操作を意識したインターフェースに変更されている。たとえば、タッチ操作を前提とするために、普段利用する機能はアイコンのボタンなどではなく、画面両端の大きめのボタンとして表示される。これらは実際にユーザーが使用するデバイスに合わせて変化する。
つづいてクラウド。次期Officeでは、作成したファイルの保存先がデフォルトでクラウド上に保存されると繰り返し強調した。データをクラウドに保存することで、複数のデバイスから、作成途中のファイルにアクセスできるだけでなく、ファイルの設定や最後に開いていた場所まで記憶してくれるので、作業の続きを容易に再開できる。
ソーシャルについては、主に企業向けの機能が中心で、SharePointによる社内向けSNSなどが紹介された。