このページの本文へ

シマンテック、Windows 8に向けた「次世代Norton」を解説

2012年07月17日 18時18分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Windows 8のスタート画面上に配置されている、次世代Nortonのタイル(画面左の縦に並んだ3つ)

 シマンテックは17日、都内で記者説明会を開催し、Windows 8に対応する開発中の「次世代Norton」製品の特徴や改良点について説明を行なった。有効なライセンスを持つ既存製品のユーザーには、アップデートで提供される予定。

 Windows 8のセキュリティー機能について同社の林 薫氏は、「Windows 7と比べて新規の機能はあまりなく、従来型のマルウェアは有効である」と警鐘を鳴らす。起動シーケンスの初期段階に読み込まれて、ルートキットの検出などに効果を期待される新機能「ELAMドライバー」(Early Launch Anti-Malware)が導入されたり、標準の「Windows Defender」の改良、BIOSに変わる「UEFI」への対応による保護といった改善点はあるものの、セキュリティーソフトなしでも十分というには遠い状況にあるという。

 Windows 8を見据えた次期Norton製品は、従来の保護機能を発展させるとともに、ユーザーインターフェイス(UI)面での変更が大きなトピックとなる。特に大きな変更は、「NortonStudio」「Norton Private Browser」「Norton Cloud Scan」の3点である。

Windows 8対応のNorton新製品で中心となる改良点。左上は「NortonStudio」と呼ばれる新フロントエンドのタイル

 Windows 8対応になっても、従来型のデスクトップアプリケーションとUIは残るが、Metroスタイルに対応する確認・設定機能も必要だ。そこで「NortonStudio」と呼ばれるMetroスタイルアプリが、Norton製品のMetro版フロントエンドとして用意される。現在も提供されている「Norton Management」という管理画面アプリのMetro版とでも言うべきものだという。

Metroスタイルベースのフロントエンド「NortonStudio」

 NortonStudioはインストールされたパソコンのほか、Nortonアカウントでひもづけられたパソコンの、セキュリティー状態や各種設定を、MetroベースのUI上で確認し、必要があれば設定の変更やセキュリティーリスクの解消を行なえる。Norton製品が持つすべての設定をここだけで変更できるわけではないので、細かく設定を調整する場合には、デスクトップ側での操作も必要だが、大抵の状況確認と設定はカバーできるだろう。

Nortonのセキュリティー機能が有効になっているMetroベースのウェブブラウザー「Norton Private Browser」

 「Norton Private Browser」は、Metroベースの「Internet Explorer 10」(IE10)が抱える問題を解消するウェブブラウザーである。従来のNorton製品では、ウェブブラウザーにアドオンとして機能を追加することで、表示するページや検索サイトのリストアップしたページが安全かどうかを確認する「セーフウェブ」、IDとパスワードを安全に管理して自動入力する「IDセーフ」といった機能を提供していた。これらはWindows 8のデスクトップモード側のIE10では、従来どおり動作する。しかし、MetroスタイルベースのIE10ではアドオンの動作が禁止されているため、これらの機能が使えなくなってしまうのだ。

 Norton Private BrowserはレンダリングエンジンにIE10を使いながら、セーフウェブやIDセーフの機能も持ったウェブブラウザーとして動作する。Windows 8のスタート画面で、IE10の代わりにこちらを使うようにすれば、Nortonのセキュリティー機能を使った安全なウェブブラウジングが可能となる。

「Norton Cloud Scan」はOSとの連携が深まるSNS側のセキュリティーを確認する機能

 最後の「Norton Cloud Scan」は、FacebookやTwitterなどSNSの取り込みが進む状況を反映して、これらSNS側にマルウェアが仕込まれていないかを検出する機能だ。そのほかにも、フィッシングサイトを通じたクレジットカード番号や免許証、パスポート番号などの「個人特定情報」の流出を防ぐために、新しい保護機能も取り入れられる。

 主要なフィッシングサイトについてはすでに防御が提供されているが、新機能では既存サイトに対する防御から漏れるマイナーなフィッシングサイトや、個人・団体を狙ったサイトなどへの防御を行なう。対象となるサイトの属性、例えば「初めてそのサイトへのトラフィックが確認されたのは、データを収集し始めたのはいつか」や、ほかのNortonユーザーがそのサイトを何回訪問しているかといった情報を元に、その危険性を判断するという仕組みになるようだ。

 次世代のNorton製品は、10月に予定されるWindows 8の提供開始にタイミングを合わせて、提供開始できるように開発が進められている。既存のNorton製品、Norton 360、Norton Internet Security、Norton AntiVirusなどの有効なライセンスを所持しているユーザーは、新版へと無償でアップグレードされる予定。今後のNorton製品は、こうした年間サブスクリプションモデル型へと移行するとのことだ。

■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン