電アス・ゲーム部 第9回
武将の美少女化にはもう飽きた? そんなアナタにこのゲームをオススメしたい!
【G-net出張所】PSP『桜花センゴク』は“萌え”も“燃え”もいけるハイブリットAVG
2012年07月17日 11時00分更新
歴史パロディネタや世界観がおもしろい
本作の魅力の1つは、史実や俗説のパロディネタの数々。例えば、本作に登場する上杉謙信ちゃんは、毘沙門天の力を借りて“毘沙門天使・謙信ちゃん”へと変身します。言ってしまえば魔法少女です。これは“謙信は●●だった”という俗説をパロったもの。謙信ちゃんがムリヤリ言わされている「マジカル ミラクル クルックルッ♪」や「悪を討ちゅ」という変身呪文には胸がアツくなると同時に、実際の謙信とのギャップに脳がとろけそうになります。戦国時代に思い入れがあればあるほど、この不思議な高揚感が強いかもしれません(笑)。他にも、かの有名な“川中島の戦い”が1対1の野球勝負になっていたりと、どこかクスっとできて、さらにアツさも加わった名&迷エピソードが章ごとに展開されます。
かつての豪傑たちが美少女に!? という作品は多いですが、本作がおもしろいのは女の子たちが“転生武将”だという点。つまり、実際に男の信長や謙信が過去に存在していて、その転生体が現代で女の子として生活しているのです。しかも、“転生武将”の多くは過去の記憶を持っています! 昔は男だったのに今は女、そしてかつて裏切られた光秀に信長が恋をする……のか? といった武将間の関係性や性別によってゲシュタルト崩壊が発生し、これまたユーザーの脳をとろけさせてくれるんです。
見た目に反してシリアスでハードなシナリオ展開
物語の舞台となるのは、転生武将たちが集まる学園。この学園は、“ある力”を持った六道輪廻珠という数珠が66個に分かたれ、66のクラスに散らばってしまったために、それを集める“学園戦国時代”に突入しています。序盤は前述したパロディネタもたくさん盛り込みつつ、六道輪廻珠を巡るドタバタとしたクラス間の合戦が描かれます。
序盤から一転して、後半はかなりシリアスで、血もたくさん流れるハードなシナリオとなっているのが評価の分かれ目。転生武将の“萌えだけ”に期待していた人にとっては、コレじゃない感が芽生えてしまうかもしれません。でも「ただの萌えゲーには飽きた!」、「萌えだけじゃなくて燃えもないと!」と思っている人は楽しめるでしょう。過去の記憶を持たない主人公・光秀の秘密や、信長と光秀の恋の行方など見どころもたくさんあります。
歴史好き、戦国時代が好きな人で、武将の美少女化をある程度許容できるなら、自信を持ってオススメしたい作品です。“武将の美少女化作品にはいい作品がない”というネガティブイメージを持ってしまっている人には、特にプレイしてほしいですね。この作品がそのイメージを覆してくれるはずです。
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(C)APRICOT/Alchemist
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