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“サイトのメディア化”で、息の長いショップを目指す (2/3)

2012年07月31日 11時30分更新

文●三浦たまみ

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全社員の編集スキルを一定以上のレベルに

「サイトのメディア化」の考えに至ったのは、ある種の危機感からだったと青木氏は振り返る。実は、2007年に『北欧暮らしの雑貨店』をオープンした当初、商品ラインアップは、北欧雑貨のヴィンテージ商品だけ。その特異性に悩まされた時期があったのだ。

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スウェディッシュ・グレイ特集では、「我が家の食卓にぴったりの色えらび。」と題して、ダイニングの机に合う食器の色を分かりやすく紹介した

「ヴィンテージ品は希少品なので頻繁に入荷できません。でも、ファンの方は大勢いらっしゃいますから、一度、100個仕入れると、その日中に60個はたちまち売れてしまう状況が続きました。アクセスは日々たくさんあるのに、常に在庫過少の状態。明らかに購入機会を損失していますし、来ていただいたお客様にも失礼です。その状況を打破するにはどうするべきか真剣に考え、メディア化という結論にたどりついたんです」

 現在は、サイトに記事をアップする2カ月前には、何を特集するか、どんな内容にするか社員全員で編集会議をしている。1回の編集会議につき、1人1本の企画提出を必須としているため、毎回、7~8本ほど企画が集まる。そのうち、採用するのは2~3本。残りは、いつかブラッシュアップして使うためにストックしているので、ネタが尽きることはない。

 お客様から問い合わせが多いことも、積極的に特集に反映している。例えば、「スウェディッシュ・グレーシュ特集」を組んだときは、「どの色のお皿を選んだらいいのか悩む」というお客様の相談に応えるようなコンテンツを作り上げた。

スウェディッシュ・グレイ特集の各タイプのお皿を実際に使ってみたという“手作り感”が訪問者の共感を呼ぶ

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「社員の誰かがいなくなったら成り立たない状態を作ったら、それは経営者の責任」と語る青木耕平氏

「編集するうえで心がけているのは、企画を立てるのも、記事を書いて写真を撮るのも、それをサイトにアップするのも、全員ができる体制を整えておくことです。企画を立てるのがうまい人、文章がうまい人などそれぞれ得意分野はありますが、全員が及第点以上のことをできるレベルにしなければなりません。社員の誰かがいなくなったら成り立たない状態を作ったら、それは経営者の責任です」

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