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“サイトのメディア化”で、息の長いショップを目指す (3/3)

2012年07月31日 11時30分更新

文●三浦たまみ

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世界観の一致が生む統一感

 企画の立て方、文章の書き方、写真の撮り方などは、大枠のマニュアルは用意している。といっても、それは、ごく基本的なもの。例えば、写真を撮る場合だったら、「必ず、自然光のもとで撮る」「露出やホワイトバランスに注意する」などだ。

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写真はすべて自然光で撮っている。窓際に商品をおいて、レフ板1枚という実にシンプルな構成で写真を撮る

「理由は単純。自然光で撮れば、蛍光灯の下で撮るほどにはカメラの腕が問われないからです。あとは、露出やホワイトバランスの調整など最低限のことを学んでおけば、誰が撮っても、一定以上の品質の写真ができあがります。その基本さえ押さえておけば、あとは好きこそものの上手なれ。各々が工夫してくれるんです」

 同社は、サイトデザインも外注に出していない。カラーミーショップというASPサービスを利用して、社内で制作しているのだ。だからといって、素人くさい印象はまったくない。どのバナーも、どのページも、北欧雑貨のあたたかみのある雰囲気が全面に出ていて、お店のトーンは一定している。

「誰が特集を担当しても全体として統一感があるように見えるのは、おそらく、みんなの北欧雑貨に対する世界観が一致しているからです。こんな雑貨に囲まれてこんなふうに生きていきたいという思いが共通していると、おのずと、お皿にパンを載せた1枚の写真を撮る場合でも、雰囲気は似てくる。うちのお店らしい空気感のようなものが出るんですね」

 昨年末には、それまで出店していた楽天市場からも撤退し、自社サイト1本に絞った。もっとも多いときで、売り上げ比が全体の35%を占めていた楽天市場を止めたのは、明確な理由があった。それについては、次回でお伝えしよう。(続く)

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“スタジオ”で撮った写真だけではなく、訪問者の目を惹く写真が並んでいる

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