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モバイルネット犯罪の意識が低い日本、シマンテックが調査結果を発表

2012年07月12日 11時25分更新

文● ASCII.jp編集部

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 シマンテックは11日、日本の携帯端末(スマートフォン含む)ユーザーの意識調査結果を発表した。調査地域は日本、中国、オーストラリアなどのアジア・パシフィック地域の5ヵ国で、調査対象は1ヵ月に少なくとも1時間以上インターネットを使っている人。サンプル数は各国ごとに500名としている。

約半数がモバイルセキュリティ対策を取らず!

シマンテックのノートン事業部コンシューママーケティング統括本部長である岩瀬晃氏

 ネット調査のため、その分は差し引いて考えなければならないが、調査結果ではコンピュータ所有者の割合は96%となっており、約半数の53%が携帯端末でもネットにアクセスしているという。ただし携帯端末でのセキュリティ意識は低く、インターネットを利用する日本人の45%が「ネット犯罪に発展する可能性のある迷惑電話や迷惑メールを少なくとも月2~3回以上受け取っている」のにも関わらず、「ネット犯罪の危険にさらされていると感じていない」と回答した人が全体の約半数にのぼるという。また、携帯端末でネット接続する48%が携帯端末をパスワード保護していないという結果になったとしている。

 シマンテックのノートン事業部コンシューママーケティング統括本部長である岩瀬晃氏によると「2011年にモバイル経由の脅威(マルウェア)は315件発見されたが、これは2011年の倍となっている。年を経るごとに倍々で増加する可能性があり、現在はまだ数が少ないがネット犯罪者はそういうところを狙ってくる」と話す。

盗難の経験がある人のうち13%しかセキュリティアプリをインストールしていないというセキュリティ意識の低さが問題という

 今回の調査では携帯端末の紛失または盗難についても質問しており、10人に1人の割合でそういう経験があるとしている。その際に困ることとしては、「アドレス帳の紛失」が69%で1位となっており、以下順に「費用」(57%)、「プライバシーを侵害された気持ち」(42%)となっており、プライベートデータの損失を表す「個人的なメモの紛失」(30%)、「写真やビデオの紛失」(26%、女性のみの場合は37%)は6~7位に位置する。

 携帯端末を紛失した際の理想と現実のギャップもかなりある。日本のネットユーザーのうち6割以上が、盗難・紛失した携帯端末の問題を解決するのに3064円を払ってよいとしているが、実際に携帯端末を紛失した際、約半数が問題解決をするために平均1万2537円を支払ったと回答している。その差は約9000円だ。ちなみに昨今のスマートフォン向けセキュリティソフトには、遠隔操作で端末をロックしたり、端末の場所を特定できる機能が搭載されているが、携帯端末を盗難・紛失したことのある人の13%しかセキュリティソフトをインストールしていなかったという。

「スマートフォンの売り上げが爆発的に伸びているが、日本は盗難やマルウェア被害などの脅威への意識が低い」(岩瀬氏)と語っており、携帯端末ユーザーへのセキュリティの意識の向上が、今後大きな焦点となってくるものと思われる。

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