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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第99回

日本のネットシーンに天才現る――M.Kitasonoの衝撃

2012年07月07日 12時00分更新

文● 四本淑三

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中学の頃、部室にあった楽器を弾きまくった

80's Dream (Techno Pop) by M.Kitasono

―― いま弾ける楽器はどれくらいありますか?

M.Kitasono ベース、キーボード、エレキギターとガットギター、コントラバス、アルトサックスも少し。吹奏楽部にいたので。アコーディオンもやります。

―― 鍵盤ハーモニカとかも。

M.Kitasono はい。フルートもちょっとだけ。

―― ひょっとして、お金持ちのボンボンですか?

M.Kitasono 違うんですよ。ぼくの使っている楽器というのは、すべて廉価版の楽器なので。うちは、まあしいて言えば、中流といえるかどうかというあたりで、友だちと同じような暮らしぶりでした。中学校の頃に吹奏楽部にいたんですけど、部室に色々楽器があったんです。グランドピアノとかマリンバとか。なので片っ端から演奏していったんですね、音楽室で。

―― その時代に多重録音を始められるわけですね?

M.Kitasono はい。メーカーは忘れましたが、カセットテープを使ったレコーダーでしたね。ボサノバを作っていました。コード進行だけ拝借したもので、それに合わせてしゃべるというものを。

―― ボサノバ! その頃の音源はないんですか?

M.Kitasono 手元にはないんですけど、どこかにあると思います。

―― コードはどうやって覚えたんですか?

M.Kitasono 小6の頃にブルースハーモニカを吹いていたんです。その教則本にCとかGとか書いてあるんです。それが世界共通の和音のことを言っているんだと気づいたときはうれしかったです。それでコードブックをインターネットで見つけて、ボイシングをおぼえはじめました。


バロウズが心のよりどころなときも

それはよく見ると死体だからあまり触らないでね(Acoustic Ver.) by M.Kitasono

―― 一曲どれくらいで作りますか?

M.Kitasono 1週間から2週間という大まかな日取りを決めてやります。譜面を書き始めて音源の完成まで。

―― 「ざくろ」(冒頭の曲)もそれくらい?

M.Kitasono あれは少し長いほうで2週間くらい。ただ毎日やるわけじゃないので、実際に作業に充てた時間というのは、その半分程度かも知れません。私は怠惰な性格なので。3ヵ月くらいガスが止まっても平気だったりとか。

Image from Amazon.co.jp
裸のランチ (河出文庫)

―― 今は一人暮らしですか?

M.Kitasono はい。今はずいぶんマシな暮らしをしているんです。前はとてもひどかったですね。信じられないです。そういうときは心のよりどころとしてウイリアム・バロウズを読んでいたんです。彼の生活って本当に信じられないものなので。自分ってマシだな、大丈夫だと思えたんです。

―― いまレコーディング環境はどんな感じですか?

M.Kitasono ソフトはLogicです。Electro-VoiceのCARDINALというマイクと、APOGEEのDuetというオーディオインターフェースを使っていました。今はもう売却してしまったのでないんですが。

―― それは不満があったから売ってしまったんですか?

M.Kitasono 違います。電気が止まってたんですよね。

―― あっ、なるほど。

M.Kitasono でも面白かったですね、電気が止まって。行動力を得るんですね。方々に出向いてですね、飯をおごってくれと言ったり。たまにしかできないのでちょっと面白かったです。それで、いまは楽譜を書いたりしています。

「ざくろ」の譜面も公開中

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