日本語IMEの完成度を高める、日本マイクロソフト
そして、「Windows 8が目指すのは、既存のビジネス基盤を担保しながら、新たな時代のライフスタイル、ワークスタイルを提案する『Windowsの再創造』。タッチ操作やMetroスタイルといった新たな操作環境も特徴になる」としながら、「日本のマイクロソフト社員も、Release Preview版をもとに日本語環境における検証を行ない、フィードバックをしている。日本のWindows 8開発チームも日本語IMEを含めて、最終完成に向けて努力している」という。
Metroスタイル環境における日本語IMEは、マイクロソフトから標準的に搭載されるものしか利用できないというのが、現時点での位置付けだ。それだけに、日本語IMEの完成度に対しては、これまで以上に高い水準が求められている。
シノフスキー氏率いるチームは、開発を遅らせたことはない
ところで、業界関係者の間には、もはやWindows 8の出荷が遅れるという危機感はまったくない。
Windows Vistaの時代まで、PCメーカーや販売店といった業界関係者は、マイクロソフトの開発の進捗状況が二転三転し、ぎりぎりまで出荷日が分からない点を懸念し続けていた。実際、Windows Vistaでは、年末商戦に間に合わず翌年1月下旬の出荷となったことで、大きな商戦期を逸した形で発売するという最悪のパターンも経験している。
しかし、スティーブン・シノフスキー氏がWindows部門の指揮を執るようになったWindows 7以降は、予定通りに製品が登場している。Windows 8に関しても、Consumer Preview版、Release Preview版が順調に公開されている。
Office製品を担当していた当時から、シノフスキー氏が率いるチームが開発を遅らせたことがないという「伝説」も、業界関係者の安心感につながっている。
Windows 8発売に向けたカウントダウンが本格化
新年度が始まったことで、今後は、Windows 8に関する新たな予算が計上され、それに伴い積極的な動きが少しずつ表面化することになるだろう。
日本においても独自のマーケティング施策などが立案されるのは明らかで、パートナーなどを対象にしたマーケティング戦略説明会「マーケティングディ」を通じて、発売前に具体的な施策が公開されることになるはずだ。
マイクロソフトの新年度のスタートは、Windows 8発売に向けたカウントダウンがいよいよ本格的になってきたことを示す合図ともなる。
この連載の記事
-
第215回
PC
「クリエイティブ」に向かうWindows 10とSurfaceファミリー -
第214回
PC
日本企業の変革を象徴、世界最大規模の「Office 365」大型導入 -
第213回
PC
資生堂、オンライン会議中の顔を美しく見せる「Tele Beauty」を開発 -
第212回
PC
女子高生AI“りんな”は母親思いのカープ女子!? 自分の子供より返事が多いというユーザーも -
第211回
PC
Office 365が3ヵ月無料試用OK、セットアップも支援 - 働き方改革週間締め切りは9月30日 -
第210回
PC
Windows 10企業導入の障害は、WaaS(Windows as a Service)と180日ルール -
第209回
PC
アクア、DMG森精機 - IoTの協業発表が相次ぐ日本マイクロソフト -
第208回
PC
MS SQL Server 2016は、オラクルの牙城をいかに崩すか、PostgreSQLにどう対抗していくのか -
第207回
PC
起死回生の製品になるか? 「Microsoft Dynamics 365」 -
第206回
PC
2096名で挑む大規模ライフハック! - 日本マイクロソフトが掲げる”本来”のテレワーク -
第205回
PC
日本MSが開催イベント名称・内容を再編 - グローバルイベントとの名称統合を実現してほしい - この連載の一覧へ