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林 佑樹の「Amazonで自費出版本を販売するまでの道のり」 ― 第3回

自費出版本で予算に合った印刷所をチョイスするポイント

2012年07月04日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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  • 本文印刷

 第3回は「印刷所選び」「刷り見本の請求」「本の装丁をおおまかに決める」で、工程を進捗させる。今回は印刷関連の内容になるため、知らない人からするとよくわからない世界でしかないのだが、最近はだいぶわかりやすくなっている。また細かく説明をしだすと、記事が終わらない可能性もあるため、なるべくかみ砕いた表記にしているので、実際に印刷所で装丁を考えたり、謎用語にぶつかったときには「図解DTP用語辞典」を参考に少しずつ覚えて、実際に雑誌やムックを片手に、本の作りを覚えてほしい。

今回は第3回目なので、「印刷所選び」「刷り見本の請求」「本の装丁をおおまかに決める」になる。いまのところ予定通りだ

印刷所を選ぼう!

 印刷所というと、大日本印刷だとか図書印刷といった大手が浮かぶ人もいるだろうが、予算が大きく超えてしまう。印刷所にも大小があり、またインターネット上で印刷を発注できる“印刷通販”というサービスも登場している。またアルバム作成サービスもあるが、それは小数ロットに強いため、今回の場合は適していない。一応、編集氏が「100部以上がいいな!」とかいっているので、コストを考えると、印刷通販に着地する。同人印刷所という手もあるが、費用対効果を考えるとちょっと考えてしまう。表紙回りを別紙にして分厚くといった場合のコストパフォーマンスはいいのだが、低予算プランなので、今回は検討の対象外とした。

 印刷通販は、データを入稿すると自宅、もしくは希望送付先に納品してくれるというもの。完成した状態で入稿して、印刷所側はほとんど出力をするだけの状態だから価格が安くなっているというわけだ。また仕事面でいえば、24時間発注即入稿も可能というのもメリット。デメリットとしては、相応のDTP知識を要求されることだろうか。といっても、ある程度覚えておけばなんとかなるので、デメリットとして断言しにくい。

PDF入稿が中心。写真は実際の入稿用データ
印刷通販の大半がテクニカルガイドを掲載しているので、入稿形式の作成方法に困ってもなんとかなりやすい

 印刷通販を扱っているサービスを比較するオススメのサイトは「印刷通販徹底比較」だ。同一条件で各社の価格を比較検討できるため、まずはなんとなくのイメージで比較してみるといいだろう。価格での変化は、印刷品質とサポートが主。印刷品質は次に紹介する資料請求でわかるのでいいのだが、サポートについては利用するまでわからないというのもあるし、前述の通り、完成状態で入稿するのが基本。筆者が愛用している印刷通販は、グラフィックという会社だ。「印刷通販徹底比較」で見てみると、他社と比べて高いのだが、印刷品質がいいし、サポートというかデータ上のケアレスミスを発見すると連絡をしてくれるところが気に入っている。

「印刷通販徹底比較」。価格比較や一括見積もりのほか、口コミ機能とデザイナー紹介機能も備えている
設定した条件で登録各社の価格がわかるところが一番のメリットだ

 といっても、グラフィックを利用するときは、業務でパンフレットを作成するときか、気合いを入れた同人誌のときだけなので、今回は新規開拓をしてみることにした。Logシリーズは、これまでプリントネット、東京カラー印刷を利用してきた。ある程度、ビジュアルを維持しつつ、コスト的に気楽に作れる仕様にしているからだ。両印刷所の仕上がりはちょっと黒が薄いかなぁ? という感じで、筆者のレタッチ傾向からすると相性が悪い。作成する冊子に黒が多いからだ。また変形サイズの本にしたいなというのもぼんやりとあるため、ネットDEコムを選んでみることにした。ネットDEコムは印刷通販としては後発だが、最安料金のほか変形の選択幅が広い点で選んだ。あと、編集氏が実際の印刷コストを知って、限りなく遠い目をしていたので安くしないとなぁというのもあるが。

以前から気になっていたのもあるが、今回の印刷所は「ネットDEコム」にした
本文中に登場した「グラフィック」は、同業の人なら利用したことがあるのではないだろうか。数年前から同人向けのサービス展開もしている

資料請求で印刷サンプルをもらおう

 印刷通販の料金を比較してみるとわかるのは、同じ仕様なのに価格が異なる点だ。近しい価格もあれば、大きく離れているところもある。この差はいろいろな要因から生まれているのだが、価格は高いが2回目以降は割引が生じるといったところもあるので、よく検討してみるといい。さて、気になるところがある場合、まず実施しないといけないのは資料請求だ。刷り見本で色の出具合がわかる。ある程度の知識を必要とするが、複数社に請求して見比べてみると、微妙な違いに気がつくハズだ。

 現在、印刷通販の大半は、ドットのサイズを一定に保ち、密度を変化させることで色の濃淡を表現する“FMスクリーニング”を採用している。具体的な説明は省くが、180線、240線、280線といった区切りがあり、数値が高いほど画面解像度同様に密にキレイになる。高精細印刷技術と思っておいてほしい。

 またサンプルは、用紙ごとにわかれているため、どういった紙を使うかの検討にもなる。紙の種類はとても豊富でこだわり始めるとキリがない部分だが、ローコストかつビジュアル的に映えるのは「コート」「マットコート」で、よく見る雑誌のテカテカしたものが「コート」、「コート」のように見えるが、あまりテカテカしていないものが「マットコート」。いずれも写真の映えがいい。そのほかにも高級紙のサンプルが用意されているところもあるが、一気に印刷費用が上昇してしまう。

印刷サンプル。印刷所により形状は異なるが、同一内容がさまざまな紙に印刷されたものが届く。どういったものに向いているかといったカンタンな紹介も記載されている場合もあり、見ているだけでも楽しい。写真は手前はマットコートで、奥がコートなのだが、現物を見たほうが違いはすぐにわかる

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