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マルチベンダーのソリューションを構築

在宅勤務も長距離vMotionも体感できるネットワンの新施設

2012年06月29日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月28日、ネットワンシステムズは、新たに設立された「ソリューション・ブリーフィング・センター」についての発表会を行なった。発表会では、従来のUCに加え、2つのデータセンターを模した環境で長距離vMotionやフェイルオーバーなどのデモが披露された。

事業継続性に大きな注目が集まる

 今回設立されたソリューション・ブリーフィング・センターは、マルチベンダー製品で構成されたITソリューションのデモを体感できる設備。もともとUC(Unified Communication)用のセンターだったが、3・11の東日本大震災以降、TCO削減や事業継続性などのソリューションを追加。これについてネットワンシステムズ 第2製品技術部 部長の松本陽一氏は、「UCだけではなく、働き方を変えるにはどうすべきかといったソリューションを求められるようになった」という背景を説明した。特に事業継続性に関しては、後述する長距離DRのデモが非常に関心を集めたとのことだ。

 機材自体は同社の検証を行なうテクニカルセンターに設置されている。また、顧客が直接センターに出向かなくとも、ネットワークを介してネットワンの他拠点や顧客サイトでもデモを見せることができるようになっているとのこと。

ネットワンシステムズ 第2製品技術部 部長 松本陽一氏

 提供されているソリューションは、前述のとおり、「生産性向上」「TCO削減」「事業継続性」の3つを軸に展開され、マルチベンダーの製品でソリューションが構成されている。発表会では生産性の向上と事業継続性にまつわるデモが披露された。

 生産性向上をもたらすデモでは、シスコやヴイエムウェアなどの製品をベースとしたVDIやUC、SNS活用などが大きなテーマとなる。具体的には、社内営業がシスコのシンクライアント、自宅にいる技術担当がMac BookからVMware View経由で仮想デスクトップを起動。チャットやビデオ、電子ホワイトボードなどを使った場所を問わないコミュニケーションのほか、ネットワン自体が最近進めているビデオ会議を介した顧客先への営業などを披露した。また、管理者がユーザーに特定のアプリケーションを付与したり、プロジェクトの専用環境をVMware Horizon App Managerで提供するというデモも用意された。松本氏は「ノートPC以外のタブレットやスマートフォンなどツールが増えている。あとVDIを基本とし、在宅勤務やモバイルにも対応する」(松本氏)と、従来のUCに比べ大幅に進化した点を説明した。

生産性の向上をもたらすVDIやCU系の製品

データセンターをまたいだvMotionの構成技術

 事業継続性のデモでは、2つのデータセンターのリソースを共用し、災害対策にRTO/RPOを向上させるアクティブ-アクティブ型のシステムとして見える仮想データセンターのデモが行なわれた。具体的にはサーバーとしてシスコのUCS、ストレージとしてEMCのVNXとVPLEX、スイッチとしてNexus 7000で構成した仮想データセンターを2つ作り、両者を10~20msの遅延を発生させたネットワークで接続。データセンター間でVLANを延伸するOTVやvMotionで仮想マシンが移動した後もルーティングを追従させるLISPなどのシスコの技術、拠点間でのストレージ連携を実現するEMCのVPLEXを用いることで、地理的に離れたデータセンター間での仮想マシンの移動を実演。Pingや動画再生などで、仮想マシンの移動が影響を与えていないことを示した。また、意図的に物理サーバーをダウンさせ、他方のデータセンターに仮想マシンをフェイルオーバーするデモも披露された。シスコのクラウド間接続やシスコの長距離DRなどは、デモを見られる機会も少ないので、興味を持っているユーザーにとっては有意義だと思われる。

 ソリューション・ブリーフィング・センターでは、こうしたデモをCIOや管理者、エンジニア向けに数多く用意し、ネットワンの高いインテグレーション能力や技術力をアピールしていくという。従来は週に3回程度のデモだったが、今後は倍の来場者を見込んでいるという。

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