PLEXTORのM3 Proがなんでそんなに超っ速のかを調べてみた
Mac信者がHDDからSSDに換装する場合は、以下は読み飛ばしてもかまわない。キチンと動いて、高いパフォーマンスが出せれば、それで納得する人が多いからだ。
しかしWindowsやLinux系の読者や、筆者自身にとって気になるのは、なんでそんなに速いのか?という疑問だ。詳細は「SSD買うなら「PX-M3P」で決まり! プレクの新型はマジヤバイ」に任せるとして、ここは概略を説明しておこう。
まず肝心の内蔵フラッシュメモリーは、東芝製のMLC NANDタイプを使っている。MLCタイプは集積度を高くでき、NANDタイプは価格を抑えて、大きなファイルを高速に読み書きできるという特性を持つ。海外製の安いフラッシュメモリー(おもにS社製)でそこそこパフォーマンスの出るSSDが多い中、フラッシュメモリーの老舗でかつ信頼性・高性能の東芝製を使うというのは、エンジニアの端くれの筆者の目から見ても「コイツ……やるな!本気だぞ!」という印象だ。
次に注目すべきは、コントローラーである。せっかく性能のいいフラッシュメモリーを使っていても、コントローラーがショボいとメモリーのパフォーマンスを引き出せないのだ。その点PLEXTORのM3 Proに採用されているもののは、SATAコントローラーなどで超有名なMarvell社製のチップ(PLEXTOR専用にカスタム済み)。しかもサーバ用途などに使うチップで、PC側のインターフェースSATA 6Gb/s(SATA3.0)と、東芝のMLC NANDタイプのフラッシュメモリーを仲立ちしている(中間にDDR3 512MBのキャッシュも装備)。
これらの主要部品を車に例えるなら、高性能エンジンの東芝NANDメモリーを搭載し、エンジン回りのコンピューターやギヤ回りをレース用に改造したMarvell製チップで固めたライトウェイト・レーシングスポーツカーといったところだ。この2つの組み合わせがうまくかみ合うことで最高のパフォーマンス(速度)を叩きだしているといっていい。
さらにファイルの削除や作成を繰り返しても、パフォーマンスを低下させない「Plextor True Speed Technology」や、ファイル書き込む際、頻繁に利用するメモリーブロックを避け、均等にブロックを使っていく「Global Wear leveling」機能なども装備し、長寿命と高信頼性を実現している。
またデータの安全面では「Bad Block Management」が、エラー発生率の高いブロックを避け、信頼性の高いブロックにファイルを書き込むことで、エラーの発生を抑えるという手法をとっている。
このように高速に読み書きを行うSSDというだけでなく、ニ重三重のデータを守るフェイルセーフシステム、製品自体の頑強性の自信の表れが、5年間という長期保証に現れているのだろう。
PLEXTOR M3 Proに換装オススメしたいのはこんな人!
ここではMacとWindowsのデュアルブートを中心に換装を説明してきたが、それ以外にもこんな人に強くオススメしたい。
・初期のSSD(64MBクラス)で空き容量の工面に右往左往している人
ノートPCはもちろんのこと、デスクトップPCでもシステム用に64GBクラスの初期SSDを使っている場合は、より高速で大容量のPLEXTOR M3 Pro 512GBがオススメ。もうCドライブ固定のインストーラーに怒りを覚えることはない(笑)。
・デュアルブートでOSを頻繁に切り換えて使う人
MacとWindowsに限らず、Linuxやその他のOSを頻繁に切り換えて使う人は、その切り換え速度の速さに驚くはずだ。一度味を占めたら、もうHDDには戻れなくなるほと快適になる。
・ノートPCのバッテリーをより長く持たせたい人
サスペンドは復帰が速いものの、サスペンド中にはバッテリーを消費する。こんなときはSSD化してシャットダウンすることで、バッテリーを長持ちさせられるだけでなく、ストレスなくOSを高速に起動できる。
・アプリケーションの動作速度が気になる人
Photoshopなどで大量の写真を処理しなければならないという場合は、内蔵メモリーが足りなくなり、頻繁にスワップファイルにアクセスすることになる。HDDをSSDに換装すれば、スワップファイルはこれまでの半分~それ以下の速度で読み書きできるので、ワンランク上のCPUに乗せ替えたほどアプリケーションのパフォーマンスが向上する。
何を隠そう筆者のデスクトップPCも64GBのSSDで、レジストリやら環境設定ファイルを変更しまくって、システムとスワップファイル系のみをSSDで処理するようにしていた。が、このPLEXTORのM3 Proに換装したMacBook Proがあまりにも爆速な上に、容量も大きいので姑息な手段を使わなくて済むようになった。
大容量のSSDとなると決して安い買い物ではないが、この快適さは病みつきになること間違いなし! っつーわけで、これからアキバに行ってWindows専用のノートPC用も合わせて2台買いに行ってくるわ。