このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

「MacBook Pro Retina」は“金の卵”となるか?

2012年06月26日 10時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」

 そこで登場するのが、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルだ。例えば1799ドル(14万7429円)の15インチMacBook Proは標準ストレージとして500GBのHDDを搭載しているが、オプションで256GBのSSDに換装することで2299ドル(18万9334円)へと価格が上昇する。

 一方で、「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル:2.3GHz」は薄型筐体でフラッシュストレージのみの搭載となっており、スペックとしては容量256GB搭載で2199ドル(17万6000円)の価格で販売される。

 同じ容量となるようSSDオプションを選択した場合、価格としては15インチMacBook Proのほうが高くなるが、選択肢が存在する。MacBook Pro Retinaディスプレイモデル:2.3GHzでは標準のフラッシュストレージ以外に選択肢がないため、2199ドル(17万6000円)のモデルを選択するしかない。この時点で、最も安価な1799ドル(14万7429円)の選択肢が存在する15インチMacBook Proに比べて、400ドル(2万8751円)の販売価格の上乗せが期待できる。

「Retinaディスプレイ」にシフトするMacユーザー

 また、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルには、MacBook Air/Proで唯一となる「Retinaディスプレイ」搭載という特徴がある。これを目当てにWindowsからの乗り換えを検討したり、あるいは既存の11/13インチMacBook Airや13/15インチMacBook Proから買い換えるユーザーも増えることだろう。

 もしノート型Macの購入を考えるユーザーの2割程度がMacBook Pro Retinaディスプレイモデルを選択する方向にシフトした場合、GigaOMは、MacBook Air/Pro全体のASPは1363ドル(約10万8372円)程度に上昇すると分析している。もしMacBook Air/Proの販売台数が2012年度第2四半期から横ばいだったとしても、このASP上昇によって同社の四半期あたりのノート型Macに関する売上は少なくとも2億ドル(約159億円)程度は上昇し、業績上昇に大きく貢献するというのだ。

注目は2012年度第4四半期(2012年7〜9月期)の決算か

 MacBook Airの登場によって、ローエンド寄りの製品に注目が集まりがちだったノート型Macだが、アップルが15インチMacBook Proの価格帯に話題の新製品を投入したことで、再び多くのユーザーがハイエンドに集中する可能性がある。この結果が色濃く反映されることになる、2012年度第4四半期(2012年7〜9月期)の決算に注目したい。

主なスペック
製品名 MacBook Pro Retina
ディスプレイモデル:2.3GHz
MacBook Pro Retina
ディスプレイモデル:2.6GHz
直販価格 18万4800円 23万8800円
CPU Core i7 2.3GHz(4コア) Core i7 2.6GHz(4コア)
メモリー 8GB(最大16GB) 1600MHz DDR3L
ディスプレー
(最大解像度)
15.4型 Retinaディスプレイ(2880×1800ドット/QWXGA+/220ppi、IPS)
グラフィックス機能 Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵)およびNVIDIA GeForce GT 650M(1GB、Kelper)、自動切替機能搭載
ストレージ 256GB フラッシュストレージ 512GB フラッシュストレージ
光学式ドライブ
通信機能 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n対応)
インターフェース USB 3.0×2、Thunderbolt×2、HDMI×1、FaceTime HDカメラ、Bluetooth 4.0
カードスロット SDXCカードスロット
サウンド機能 ステレオスピーカー、マイクロホン、ライン出力/ヘッドホン
本体サイズ/重量 幅358.9×奥行き247.1×高さ18mm/2.02kg
バッテリー駆動時間 最長7時間(最大30日間のスタンバイ時間)
OS OS X Lion


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中