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極薄軽量派? それとも大画面フルスペック派?

デザインの共通性保ちつつ用途に応じて広がるXPSの選択肢

2012年07月02日 11時00分更新

文● 編集部

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XPS 14──長時間駆動とゆとりある性能で長期出張も快適

 XPS 14は、常に持ち運ぶことを想定して開発されたXPS 13よりは一回り大きな液晶ディスプレーを搭載するとともに、解像度およびスペックを全般的に底上げした。

XPS 14。性能は妥協できないが、最低限の携帯性も確保しておきたい層に向けた隙間を埋めるウルトラブックである

 別記事でも触れているが、ディスプレー解像度がHD+(1600×900ドット)に向上。CPUも6月に発表されたばかりのデュアルコア版Ivy Bridgeを採用している。デルのウルトラブックとしては、携帯性を重視したXPS 13、ドライブ内蔵でエントリー層も購入しやすい「Inspiron 14z」に続く3モデル目。ワンスピンドルで携帯性とスペックのバランスを吟味したモデルと言える。

 大画面+高解像度化に加え、バッテリー駆動時間で最大11時間以上を実現した関係で、重量は約2.1kgに増加している。本体の大型化は携帯性という観点では確かに不利なのだが、実使用を考えるとデメリットばかりではない。上に掲げたディスプレーの高解像度化(=作業スペースの拡大)はもちろんだが、熱設計および周辺デバイスを収納するスペースに余裕が出るからだ。事実本機も、ノートパソコンだからといって性能や使い勝手に妥協したくないと考える層に対して十分アピールできるスペックを持つ。

Inspiron 14zでは省かれていた、キーボードバックライトを持つ点は歓迎したい部分

XPS 14をB5変型判の週刊アスキーと並べて撮影。大画面だが筺体のフットプリントは最小限にとどめている

XPS 13のように底面はカーボンファイバー製ではないが、ブラックのカラーにラバー系の処理を施すなど似た質感を表現している。金属プレートを利用したXPSのエンブレムが上質感を高める

 XPS 13にはないXPS 14の特徴としては、長時間のバッテリー駆動、外付けGPUの搭載(NVIDIA GeForece GT 630M)、高容量のHDDと高速起動が可能なmSATAタイプのSSDの両搭載、HDMI端子やカードスロットなどインターフェース面での充実といった点が挙げられる。特にバッテリーに関しては8セルを標準搭載。駆動時間もメーカー公称値で11時間とXPS 13より4時間も多く、電源コンセントに接続できない環境でも十分な作業時間を確保できるはずだ。

端子類は側面に集中しているので抜き差ししやすい。USB 3.0×2のほかHDMI端子とDisplayport、Ethernetなどを装備する

逆サイドはヘッドホン端子と3in1カードスロットのみを装備。スッキリとした印象を与える。MAXX Audio 4など音質面にも配慮

 重量が増えたといっても、本体の厚さは21mm以下(20.7mm)とウルトラブックのガイドラインを満たしており、目立った突起部もない。コーナー部分には適度な曲面が描かれており、カバンへの出し入れもスムーズだ。

 強度の高いコーニング社のゴリラガラスで一体化された液晶ディスプレーはベゼル部分と液晶パネル部分の段差がない“Edge-to-Edge”のデザイン。これは大型の画面サイズでもフットプリント(本体の幅と奥行き)を最小限に抑えるXPSシリーズのデザインロジックをしっかりと踏襲している。簡単に言えば、スペックと画面サイズを考えれば驚くほどコンパクトに機能を凝縮しているのが、XPS 14なのである。

 その性能は会議室と作業デスクとなど屋内での移動を基本としつつ、長期の出張などの際には、普段使っているPC環境をパフォーマンスを損なわずそのまま持ち運びたいといったニーズに適している。

 アルミ合金をベースとしたXPSの高品位なデザインはそのままに、作業効率に直結する解像度とバッテリー駆動時間を確保。さらに、Core i5-3317U搭載のスタンダードモデルで10万円を切るなど価格面でもリーズナブルという魅力もあり、モバイルも視野に入れつつ普段使いに活用できるメインマシンとしてウルトラブックを検討している層に強くアピールできる性能を持つ製品に仕上がっている。

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