このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Apple Geeks 第83回

ひっそりアプデの「iPhoto 9.3」が意外に充実!

2012年06月15日 18時00分更新

文● 海上忍

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「iPhoto 9.3」のここがポイント

 基調講演で言及されなかった新製品/アップデートで、多くのMacユーザーに影響するのは、やはり「iPhoto 9.3」だろう。アップデータは約391MBと巨大だが、マイナーバージョンアップ以上の新機能を手に入れられるので、未入手の向きはMac App Storeをチェックしてほしい。

AVCHDをサポート

 iPhoto 9.3最大の変更点は、AVCHDのサポートだといえる。従来からMotion JPEGやMPEG-4/H.264はサポートされていたが、AVCHDムービーはiMovieなど他のアプリケーションで取り込むしかなく、管理もiPhotoとは分けて行なわなければならなかった。今後は、iPhotoライブラリーの容量さえ問題にならなければ、静止画とAVCHDムービーをまとめて取り込み、一括管理できることになる。

デジタルビデオカメラから直接AVCHDムービーをインポートできるようになった「iPhoto 9.3」

 試しにデジタルビデオカメラ「JVC GZ-VX770」をUSBで接続してみたところ、AVCHD動画と静止画(JPEG)をともに認識。拡張子が「.mov」となっていたため、トランスコードされるのかと思いきや、高速にインポートされた。

インポート後のファイルサイズが若干増えているが、トランスコード処理は行なわれない

 処理完了後にiPhotoライブラリー上のファイルサイズを調べると、カメラ本体側に比べメタデータ相当のサイズ増は確認できたものの、変換処理は行なわれていないようだ。

 QuickTime Playerで動画のインスペクタを表示しても、フォーマット項には「AVCHD 1080i60 1920×1080…」とあり、撮影時そのままであることが確認できた。

インポートしたAVCHDムービーをQuickTime Playerで再生、インスペクタを表示したところ

 iMovieのカメラアーカイブ機能(動画インポート時に「すべてをアーカイブ」を選択)でHDDにコピー済のAVCHDムービーも、支障なくインポートできた。ただし、MTSファイルと関連するリソースも必要なため、アーカイブ時にできる「AVCHD」フォルダー(サブフォルダーにMTSファイルがコピーされる)ごとiPhotoウインドウへドラッグ&ドロップしなければならない。個別のMTSファイルをドラッグ&ドロップしてもエラーになるので注意しよう。

iMovieでカメラアーカイブしたAVCHDムービーも、フォルダーごとiPhotoウインドウへドラッグ&ドロップすればインポートできる

単独のMTSファイルをインポートすることはできないので注意

「Aperture」のライブラリーとフォーマットを統一

 ほかにも、「Aperture」との間でライブラリーのフォーマットが統一され(統合フォトライブラリー)、Aperture 3.3以降のライブラリーを直接開けるようになる、という大きな変更が加えられている。

 画像処理システムも共通化されたため、iPhotoで調整した画像をApertureで表示しても同じ状態の画像を表示できる(逆もまた同じ)、といった使い方が可能になった。WWDCの基調講演でアピールされないにしても、ユーザーにとっては積極的に知らせてほしい機能強化と映るが、いかがだろう。

iPhoto App
価格1300円 作者Apple
バージョン9.3 ファイル容量937.4 MB
対応デバイスIntel Mac 対応OSOS X 10.7.4以降
Aperture App
価格6900円 作者Apple
バージョン3.3 ファイル容量529.3 MB
対応デバイスIntel Mac 対応OSOS X 10.7.4以降
iMovie App
価格1300円 作者Apple
バージョン9.0.6 ファイル容量1295.1 MB
対応デバイスIntel Mac 対応OSOS X 10.7.4以降


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中