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塩田紳二のWindows 8 IN-N-OUT 第7回

Windows 8の新機能「コントラクト」でアプリ連携が簡単に

2012年06月15日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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 これに対して、「フォト」アプリがSkyDriveの機能をコントラクトで呼び出す場合、画面はフォトのままで、その一部をSkyDrive側で描画する。これを「ホステッドビューアクティベーション」(Hosted View Activation)と呼ぶ。

ホステッドビューアクティベーションでは、提供側アプリは利用側アプリの一部になる。メールに付ける添付ファイルを指定するとき、対象としてSkyDriveアプリを選択する(左)。するとSkyDriveアプリが持つFilePicker機能が起動する(中央)。このとき見た目はSkyDriveだが、タスクリストではメール(右、赤枠内)になったまま

 メインビューとホステッドビューで、一体何が違うのか? メインビューアクティベーションは、Windows側からも提供側アプリがひとつのアプリケーションとして認識され、タスク切り替えの対象となったり、提供側アプリ自体をジェスチャーで閉じることができる。また、アプリケーションそのものであるため、アプリケーションが持つフル機能を利用できる反面、個別のアプリケーションとしてメモリーなどのリソースを必要とするし、起動にもある程度の時間が必要になる。

 これに対してホステッドビューアクティベーションは、利用側アプリの画面の一部を使って表示を行ない、提供側アプリの一部の機能だけが使われる。そのため起動が速く、リソースの消費も少なくできる「可能性」があり、利用側アプリの動作を妨げるようなこともない。

 ただしこの「可能性」は、あくまでも提供側アプリの作り方に依存する。開発者が不必要なメモリーを使うように作ること“も”できる。そのため一概に「ホステッドビューアクティベーションはリソース消費が小さい」とは断定できない。Metro Styleアプリのルールとして、不要なリソースを消費しないように求められてはいるが、OS側が禁止しているわけでもなく、たエラーや例外発生の対象になるわけでもない。

 コントラクトはMetro環境に、新しいアプリ間の連携機能や使い勝手をもたらすものだ。共有コントラクトにより、さまざまなアプリからSNSなどへの投稿が可能になる。またアプリが設定コントラクトを実装すれば、チャームバーにある「設定」チャームから自身の設定を変更できるようにもなる。これによりユーザーは、どのアプリケーションでも一定の手順で設定画面にアクセスできるようになり、従来のアプリのようにメニュー内を探し回る必要がなくなるわけだ。

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