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7月登場の「OS X Mountain Lion」、今秋の「iOS 6」概要がついに発表

「WWDC 2012」基調講演レポート(後編)

2012年06月13日 22時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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アップル版「おサイフケータイ」機能!?
クーポンやパス、カードの情報を集中管理できる「Passbook」

 筆者個人としては、iOS 6の目玉機能は、実は「Passbook」ではないかと考えている。簡単にいえば、航空チケットや映画/興行チケット、ストアチェーンのロイヤリティーカードにクーポンまで、あらゆるパスやカード情報をひとつにまとめる仕組みだ。最近ではGoogleのほか、VISAやMasterCardなども同種のサービスに進出しており、まとめてこの手のサービスを「Wallet」と呼んでいる。すでにお気付きかもしれないが、日本でいう「おサイフケータイ」に該当するサービスだといえば分かりやすいだろうか?

発表までノーマークだったが、実はiOS 6の目玉ではないかと思われる機能がこの「Passbook」

航空チケットや映画/興行チケット、ストアチェーンのロイヤリティカードにクーポンまで、あらゆるパスやカード情報をひとつにまとめる一種の「Wallet」サービスとなっている

 ただし、「おサイフケータイ」がFeliCaという非接触通信技術とICカードの組み合わせなのに対し、アップルが提供するPassbookで管理されるのは「バーコード」といった単純な画像情報だ。カード情報がICチップ内で保護されることもなく、自分の財布をカードやクーポンで膨らませる代わりに、iPhoneなどのデバイスに電子情報として記録してしまおうというものだ。

 仕組みそのものは単純で、バーコード情報や番号等の記されたカード情報を次々にストックし、必要に応じて取り出してスキャンしたり、あるいは不要になったら削除するだけのシンプルなものだ。また、あるカード(たとえばStarbucks Card)に該当する店舗が近くにあった場合、位置情報から判断して自動的にカードがNotificationsに出現し、ユーザーが画面ロックを解除すると当該のカードが開いた状態で表示されるといった機能がある。

Passbookにストックされたカードはユーザーが呼び出すだけでなく、たとえば「Starbucks Card」をストックしていた場合、ユーザーがどこか店舗の近くに移動していると、自動的にNotificationsにその旨が表示される。この状態で画面ロックを解除すると、当該カードがすぐに表示されて使えるようになる

 また、Passbookはバックエンドで常にアップデートが行なわれている。たとえば航空チケットの場合、ゲート情報や離発着時刻が直前まで変更になるケースが多い。その際、ゲート変更の情報をリアルタイムで通知し、きちんとチケットの電子情報もアップデートされているなど、電子カードならではのメリットも享受できる。

Passbookでは、バックエンドでつねに情報がアップデートされている。航空チケットであれば空港のゲートが変更された場合、その旨をNotificationsに表示し、さらにチケット部分のゲート表示も最新のものへと変更されていることが確認できる

 小難しいことを考えるより、「まずは現実的な実装を」という、ある意味でアップルらしい仕組みだといえるだろう。同時に、将来的なNFC(Near Field Communications)の端末への搭載の布石という可能性ももちろん秘めている。なぜなら、アップルがこうした仕組みに興味がないわけではないことを、Passbookが示してくれているからだ。

iOS機器をキオスク端末のように設定できる
「Guieded Access」

 地味ながら興味深い仕組みが「Guieded Access」だ。端的には、タッチ領域を限定して操作に制限を加えたり、ホームボタンの無効化でアプリ切り替えを防止したりと、ユーザーに制限を加える機能だ。これがなぜ興味深いかといえば、教育分野での利用や研修、キオスク的な端末への転用、美術館/博物館での案内表示など、操作を限定してiOSデバイスを利用したいケースは多々あるはずだと思われる。すでに業務向けに同種の制限をかけて運用されているケースはあるが、これをより広く利用するための仕組みだといえる。

「Guided Access」では、主に子供や企業用途など、端末の操作を限定したい場合に利用される。タッチ領域を限定することで、「戻る」「メニュー」といった操作を禁止したり、ホームボタンを無効化してアプリ切り替えを防ぐなどの効果が期待できる。博物館などでiPadを利用して解説用アプリを閲覧できるようにしたい場合、このGuided Accessを設定することで余計な操作を防げる

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