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COMPUTEX TAIPEI 2012レポート特集 第19回

スケジュールの見えたWindows 8とパートナー企業の取り込み

2012年06月08日 20時25分更新

文● 塩田紳二

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基調講演を行なうマイクロソフト OEM事業部担当副社長のスティーブン・グッゲンハイマー氏

 COMPUTEX TAIPEIでは、インテルとマイクロソフトが毎年講演を行なっている。6日に行なわれたマイクロソフトによる講演のテーマは、当然ながらWindows 8。多くのPCハードウェア関連企業のある台湾での講演らしく、パートナー企業との関係を重視した内容であった。ライターの塩田紳二氏によるレポートをお届けしよう。

 講演を行ったのは、マイクロソフト OEM事業部担当副社長のスティーブン・グッゲンハイマー(Steven Guggenheimer)氏。マイクロソフトの「OEM」とは、Windowsを購入するPCハードウェアメーカーのことだ。台湾には多数のPCメーカーがあるが、それらの企業との窓口になるのが、同氏の事業部なのである。

製品候補版が登場したWindows 8
完成まであと2ヵ月?

 去る6月1日に、Windows 8のリリースプレビュー版が公開された。これは従来なら「RC」(Release Candidate)版、つまり製品候補版と呼ばれていたものに当たる最終仕様のバージョンで、最終的な機能や動作の確認をするためのものである。「プレビュー」版になったのはおそらくマーケティング的な理由で、簡単に言えば、配布してユーザーの目に触れる機会を多くするためだ。

 Release Previewが出たあとは、マイクロソフトは一定期間、重要顧客などからのフィードバックを受け付けたあと、開発の最終段階に入る。数ヵ月後には、製品版に相当する「RTM」(Release To Manufacturing)版が登場するが、場合によってはその前に、もう一回RC版が登場する可能性がある。RC版は最終的な確認をするものであるため、最初のRC版(今回ならRelease Preview)で大きな問題があった場合に、それを修正して再度確認するためだ。ただし、この場合は一般公開ではなく、MSDNやTechNetに加入している開発者・テストユーザー向けのみといった、限定された公開になる可能性がある。

 Windows 7の場合、最初のRC版が出てから3ヵ月弱、2つ目のRC版から1ヵ月ぐらいでRTMとなった。このスケジュールをWindows 8にも当てはめてみると、計画が順調でRC版が1回のみであれば、8月ぐらいにはRTMになりそうだ。

Windows 7とWindows 8のリリーススケジュールの比較(水色部は予想)
イベント Windows 7 Windows 8 注釈
開発者プレビュー 2008年10月26日 2011年9月12日 イベントの時期に左右される
β版 2009年1月9日 2012年2月29日 パブリックプレビューなので準備期間が必要
RC版 2009年4月30日 2012年6月1日 Windows 7と1ヵ月の差
出荷日告知 2009年7月7日 2012年7月後半? 最後のRCが出たあと
RTM 2009年7月22日 2012年8月前半? 2回目のRCの有無で変わる
出荷 2009年10月22日 2012年11月? RTMの3ヵ月後

 最初のRCからRTMが登場するまでの間に、正式な出荷日のアナウンスがある。Windows 7のときには、これが7月だった。マイクロソフトの会計年度は6月に終わるため、大きな発表は6月には行なわれない。おそらく7月中には、なんらかのアナウンスがあるのではないかと考えられる。

 そういう事情もあり、今回のCOMPUTEXでマイクロソフトは、大きな発表を行なうことができない状態だった。組み込み向けWindowsである「Windows Embedded Standard 8」のCTP第2版(Community Technology Preview)を公開したという情報もあったが、第1版はリリース済みなので、やはり大きな発表にはなりにくい。

Windows Embeddedがカバーする機器の例。Windows 8版の評価版も公開された

 しかしWindows 8が最終段階に入ったことで、今回のCOMPUTEXでは多くのメーカーが、Windows 8を搭載する新製品を発表した。ハードメーカーもWindows 8対応の最終段階となり、米国の年末商戦などにむけて新製品の投入準備を始めたわけだ。

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