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OpenFlow/SDNの波が来た 第4回

ホップ・バイ・ホップもオーバーレイも両方サポート!

SDNに本腰!NTTデータ、OpenFlowコントローラーの新版

2012年06月11日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月8日、NTTデータはOpenFlowを中心とするSDN(Software-Defined Networking)ビジネスに関する発表会を開催。OpenFlowの現状や標準化動向、同社のOpenFlowコントローラー「バーチャルネットワークコントローラ Ver2.0」のプロトタイプについて解説された。

OpenFlowに前のめりなNTTデータの取り組みとは?

 SDNは、ソフトウェアによってネットワーク機能や構成を制御する概念で、複雑化したネットワークのオペレーションをシンプルにし、構築や運用コストを低減することを大きな目的とする。現在はONF(Open Networking Foundation)によって標準化されているOpenFlowを中心に技術が展開されている。発表会では、NTTデータ 技術開発本部 副本部長 木原洋一氏が、こうしたSDNやOpenFlowの標準化動向やNTTデータの取り組みについて説明した。

NTTデータ 技術開発本部 副本部長 木原洋一氏

 まず木原氏は、仮想化により複雑化し、運用負荷が大きくなったネットワークの課題を指摘。こうした中、SDNやOpenFlowの登場で、サーバーの世界と同じく、ネットワークにおいてもオープン化が進むと説明した。インターフェイスが公開され、マルチベンダーで連携できるようになるほか、スピーディな革新が進むと期待できるという。

 また、木原氏はSDNの中心となるOpenFlowの標準化が、従来に比べて驚くべきスピード感で進んでいるという現状を披露した。IPv4・シングルテーブル対応のOpenFlow 1.0が標準化されたのは2009年12月で、MPLSタグ/トンネルやマルチテーブル対応の1.1は2011年2月に標準化。それ以降、IPv6対応の1.2はその8ヶ月後、CokkieやMeter等に対応した1.3は1.2の4ヶ月後に標準化されており、その動きはきわめて速いといえる。

 NTTデータは2010年からOpenFlowへの取り組みを始めており、2011年からはONFのボードメンバーとして参画しているという。同社はおもに制御を担当するコントローラーの開発に注力しており、マルチベンダーのスイッチで動作させることを前提としているという。物理ネットワークとは別に論理ネットワークを構築するネットワーク仮想化やGUIによる制御、あるいは各社のOpenFlowスイッチを用いた検証試験も実施しており、すでにさまざまなノウハウを蓄積しているとのこと。さらに、相互接続イベントやホワイトペーパーの提案など標準化団体での仕様策定プロセスにも深く関与しているという。

OpenFlowの現状とNTTデータの目指すところ

汎用APIの提供でさまざまなクラウド基盤やソフト連携

 今回プロトタイプが発表されたバーチャルネットワークコントローラー Ver2.0では、Ver1.0で実現していたネットワーク仮想化、一元管理、マルチベンダーなどの特徴のほかに、いくつかの先進的な機能を持つ。最大の特徴はホップ・バイ・ホップ、オーバーレイの両方式に対応する点だ。

バーチャルネットワークコントローラー Ver2.0の特徴

 ホップ・バイ・ホップに関しては、最短パスでの転送のみだったが、Ver2.0では回線の帯域と使用量をベースに最短パス以外の経路も利用する。「トラフィックに応じて経路を動的に選択できるため、利用効率が高い。すべての経路をアクティブで利用できる」(木原氏)という。オーバーレイ方式もサポートするため、段階的なネットワーク仮想化の導入が可能。現状、トンネリングプロトコルとしてGREをサポートしており、標準化動向によって対応プロトコルを増やす予定となっている。

 また、バーチャルネットワークコントローラを制御するAPIをSOAPとRESTで用意する。そのため、同社の運用管理ツール「Hinemos」だけではなく、各種運用管理ソフト、OpenStackのようなクラウド基盤、ユーザー独自のアプリケーションまで幅広く連携できる。さらにVLANをはじめとした既存のネットワーク仮想化技術とも高い接続性を実現。レガシーとの共存や他社ベンダーとの連携が図りやすい仕組みを提供する。

バーチャルネットワークコントローラを制御するAPIをSOAPとRESTで提供される

エンタープライズでもOpenFlowはあり?

 NTTデータでは、来週開催されるInterop Tokyo 2012でのデモ展示を行なうほか、他ベンダー製品との相互接続も実現。APIやライブラリーを提供することで、開発パートナーも幅広く募るという。また、バーチャルネットワークコントローラー Ver 2.0自体の販売も年内に開始し、上流のアプリケーション開発・構築を巻き込んだ形でSDNビジネスを推進する。顧客としてはやはりサービスプロバイダーやデータセンターが多いが、「VPNやアドレス変換を使わず、今までと同じアドレス体系で拠点とのネットワーク統合をやりたいといったエンタープライズのユーザーにも効くのではないか?」(木原氏)という私見も出た。

 木原氏は、「今まではネットワーク装置ありきでネットワークが構築されていた。今後、SDNが普及することで、顧客の作りたいネットワークをソフトウェアからデザインできる。マルチベンダー化も推進される」と高い期待を表明した。とはいえ、OpenFlowスイッチ側での実装がコントローラーに追いついていない部分があるほか、コントローラー間の調停に関しても今後の課題という認識を示した。

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