COMPUTEX TAIPEIはコンピューターと関連製品の見本市であるが、パソコン本体そのものはどちらかと言えば脇役で、例年あまり見どころに欠けることも多い。しかし今年は違う。各社から魅力的な製品が多数出展されて注目を集めているのだ。
その理由は、Ultrabookの隆盛と登場を控えたWindows 8。特にUltrabookは、日本では未発表の製品が多数出展されており、各社の力の入れようがわかる。この記事ではそうした未発表Ultrabookをまとめて紹介しよう。
話題沸騰のウルトラワイドUltrabook
5日のインテルの講演で発表され大きな注目を集めたのが、東芝の「Satellite U840W」だ。「“ウルトラワイド”Ultrabook」とも呼ばれたこの製品は、21:9という横長ディスプレーを採用している。
ディスプレーサイズは14インチ級で、解像度は1792×768ドットという前代未聞のディスプレーを備える。パネルサイズが大きいこともあって、重さは1.7kg近いが、ボディーの厚さはUltrabookの規定である21mmを下回っているという。
機材のデモにも映画の予告編が使われるなど、シネスコサイズの映画鑑賞に適したウルトラワイド画面であるが、複数のアプリケーションを並べて作業するようなユーザーにとっても、便利に使えそうだ。
展示機材のCPUは、Ivy Bridge世代のCore i5-3317U(1.70GHz)で、ストレージは500GBクラスのHDDを搭載していた。Ultrabookの高速起動を実現するにはHDDだけでは不可能なので、おそらくキャッシュ用フラッシュメモリーも搭載しているだろう。性能面でも文句はなさそうだ。日本での発売が待ち遠しいUltrabookナンバーワンと言えよう。
AMD APUを搭載する謎のVAIOを発見
ソニーはCOMPUTEXに出展していないが、VAIOのUltrabookや一体型デスクトップは、マイクロソフトやインテルのブースに出展されている。一方でAMDのブースには、APU搭載ノートの1台として見慣れないVAIOロゴ付きノートパソコンが展示されていた。
記者が訪れた時には説明書きもなければ説明員もその場におらず、詳細は不明であったが、サイズ的には1.5kg前後のモバイルノートで、各部のデザインからすると、やや低価格な路線を狙った製品のようだ。曲線的なボディー形状と紙を折りたたんだようにも見える側面の白いラインのデザインは、従来のAMD APU搭載機である「VAIO Y」とも異なる。高級感はあまりないが、手の届きやすい価格のVAIOノートになりそうだ。
CPUはおそらく、新しいAMD Eシリーズのどれかを採用するのではなかろうか。AMDプラットフォーム版のUltrabook対抗機として、日本での登場が期待される。
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