COMPUTEX TAIPEI 2012の初日である5日、クアルコムは日本メディア向けの記者説明会を開催し、最新プロセッサー「Snapdragon S4」シリーズの概要と、Windows RTへの取り組みなどを説明した。
クアルコムのSnapdragonシリーズと言えば、特にAndroidスマートフォンでは非常に多くの製品に採用されているARMアーキテクチャーSoCである。例えばNTTドコモが発表した今夏のAndroidスマートフォン新製品でも、ほとんどがデュアルコアのSnapdragonを採用している。
一見、我が世の春を謳歌しているようなSnapdragonとクアルコムだが、特にタブレットの分野では、NVIDIAの「Tegra」シリーズも好調で、強力なライバルとなりつつある。ライバルの追撃に対抗してクアルコムが投入するのが、コード名「Krait」の名で呼ばれた新アーキテクチャープロセッサーであるSnapdragon S4シリーズである。
説明を担当した同社プロダクトマネージメント担当シニアディレクターのスティーブ・ホートン(Steve Horton)氏は、Snapdragon S4は高性能を要求される製品から安価なスマートフォンまでをカバーできるように、4種類のラインナップで提供することを説明した。特にARM版Windows 8こと「Windows RT」用タブレット端末には、「S4 Pro」が対応する。ラインナップ最上位の「S4 Prime」は、モバイルの体験を大画面にももたらすスマートテレビに、ローエンドの携帯電話機には「S4 Play」が提供される。
Windows RTをSoCであるSnapdragon S4で動かすには、単にOS本体のプログラムを実行できるだけでなく、例えばDirectXに対応するディスプレードライバーなども必要になる。ホートン氏はSnapdragon S4にはDirectXと完全な互換性のあるディスプレードライバーや、Windows RTでの新機能「セキュリティーブート」などにも対応しており、S4シリーズを搭載したクアルコム製のリファレンスタブレットが、Windows RTの開発ターゲットマシンになっていると述べた。Windows RTでのパフォーマンスと互換性には、かなりの自信を持っているようだ。
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