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なぜテーマがOC? 「87CLOCKERS」作者、二ノ宮知子さんに聞く!

2012年06月19日 12時00分更新

文● 美和正臣 撮影●小林伸

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やはりこれはセンスの差?
パーツを“パケ買い”した結果は……

――この連載を始めるにあたっていろいろ取材もされてると思いますが、秋葉原にはよく行くんですか?

二ノ宮:行かないです(笑)。昔、楽器を買いに行ったくらい?

duck:何でアキバにギターを……。

――それってお茶の水では……。

二ノ宮:ああ、アキバとお茶の水の区別もつかない……そんなレベルってことを露呈した(笑)。だけど、行って、オーバークロックって言葉が普通に街中に溢れているんだってことにもびっくりしたし、パーツ単位で売ってるんだということにも驚きました。今までパソコンって、でき上がっているのしか見たことがなかったですから。

duck:量販店とかパーツショップが並んでいる通りがあるじゃないですか。ああいうところってPOPに「オーバークロックデモ」って書かれていて実際に動作しているのが置いてあるじゃないですか。それを見て、驚いていましたよね。

アキバの中央通りを西側に1本入ったあたりにパーツショップが集まっている

――あれだけを見ても、普通の人はあまりわからないですよね。動いてる数字をみるだけですから(笑)。

二ノ宮:わかんないですよね、何やってるんだろうって。

duck:確かに。何と比べてどうすごくなってるんだっていうのがまずわからない。この数字はそもそも何なんだって。

二ノ宮:床屋のぐるぐるっと回るやつみたいな「やってまーす」みたいな感じしかわからないですよ(笑)。

――実際に買われたりはしたんですか?

二ノ宮:ええ。「この中で、どれがいい?」って言われて「あたし赤がいい~」って(笑)。そんなレベルで選びました(笑)。

――なんといい加減な!(笑)

duck:でもね、何もアドバイスをしていないのに、できあがったものを見ると今どきのゲーマーの子が好きそうなマシンになってたんです。いくらなんでも全メーカーの中から「どれがいい?」って聞いても突き放し過ぎなので、プラットフォームだけ選んでもらって、対応製品を教えたわけです。そうしたら、何も教えてないのにいきなりR.O.Gの一番いいのを選んでいて……。

二ノ宮:見かけで選んで(笑)。

duck:でもそういうところって、メーカーはユーザーにアピールするようによく作っているんですよね。初見で「これはすごそうだ、かっこいい」って直感的に選ばせてしまう。できあがったマシンを見たらレース仕様のマシンになっていたんですよ。びっくりしました。

――デザイン的に「これだ」って思ったんですか?

二ノ宮:そうです。「どれがいい?」って聞かれたので「これがいい」って(笑)。

――マザーボードの“パケ買い”って初めて聞きました。デザインで何か惹くものがあったのですか?

duck:マザー本体はちゃんと展示してあったんです。今の製品ってヒートシンクとかいろんなところがデザイン的に凝ってるじゃないですか。GIGABYTEは青だったり、ASUSは赤だったり。「黒が基調ですごくかっこいい」とか、そういうところを見ていました。「こういうのかっこいいね」とか「こういうイメージだね」とか。組んだものは実際にゲーマーが好きそうなマシンを組みやがったんで、やっぱりセンスはあるかと。

二ノ宮:そんな~。全然わかんないです(笑)。

ここまで読んでいただいた読者はご理解いただけるかと思うが、二ノ宮さんは顔出しNG。取材でこういったカットを撮ることもほとんどないという。今回は無理をきいていただき、ありがとうございました。

――実際のところ、マザーボードとかって、漫画で描くのものすごく面倒じゃないですか? あまり「これだ!」ってわかるのもまずいですし。

二ノ宮:そうですよ、もう(笑)。チェックがすごい細かいんですよ。ここにこの部品があったら辻褄が合わないけど、実際にあるものは描かないという形にしているので、微妙に変えつつやってます。

duck:逆にいえば、写真みたいに描くことは彼女にとって簡単だと思います。でも、あえてぼかして描いていったりしています。いろいろと規格があるので、知っている人は「あ~」とわかる。この前某社の人が言っていましたけど、日本に社員が500人いて、200人がこの単行本を買ったそうです。

二ノ宮:ええ、回し読みじゃないの?(笑)。

duck:200人もこれを買ったって。大ファンなんですって。社内の回覧板とかで知ったんでしょうね。

二ノ宮:爆発させてたり、自由に描かせてもらいたいから。あまり詳しく描かないほうが迷惑もかからないしということですよね。

duck:あまりに自作ユーザーが見て、製品からかけ離れた……メモリよりもCPUが大きいとか(笑)、そうなると誰も読まなくなってしまいますから。極力近いもので、これだと何も言われないな、というチェックですね。だからコンデンサがどうのこうのというよりは、もっと大きなところを監修しています。

――マンガではそのあたりに気を使うわけですね。

二ノ宮:まあ、チェック受けてることに安心しきって結構私はボーっとしてますけど(笑)。

――自分で描いていてこれでいいんだろうか、って気になりませんか?

二ノ宮:いいんだろうか、とは思いますけど、答えは彼しかわからないんで。どのラインが危なくてってことの判断ができないのでいろいろ聞くしかないんですよ、やっぱり。そのうちやってるうちに私も少しは詳しくなってくるかもしれないですけど。

duck:最初よりは詳しくなりましたよ。

――ところで組んだPCはどうされてるんですか?

二ノ宮:今、私の仕事場の2階に展示されています。動いてないです。だけど絵を描く段になるとしょっちゅうアシスタントが上に行って写真撮ったりとかしています。

――資料として置いてある?

二ノ宮:そうです。もちろん資料で必要となれば動かしてやってみますし。

――ちなみにそれってお幾らくらいかけたんですか。

duck:ずいぶん前のことなんで。今で言うとIvy Bridgeの最上位のもので全部組んだくらいのものですね。ケースも全部含めて。

――ああ、それは大変だ。

二ノ宮:この世界、すぐ古いって言われちゃうから。

duck:年に4回くらいは変わりますよね。

二ノ宮:だから、奏くんの今の設定の段階ではうちのマシンが役に立つけど、またそれ以上になると「えー、また買うの」みたいな状態です。“のだめ”の時も楽器はけっこう買ったけど「またー?」みたいな感じで(笑)。

duck:Web上から画像をパクると、「これは!」ってみんなムキになって怒っちゃう世界ですからね、真似もできない。僕の家には基本的にケースで組んだものが1つもないんですね。基本的に全部バラックだし。いわゆる“まな板”も自分で作ってるから。

――編集部では普通ですけどね。ドライバの先端でショートさせてPCを起動させたりするのを普通の人が見ると「なんでそれで電源が入るの」とか言われますけど。

duck:今、火花散ったとかね(笑)。

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