ウルトラブックはモバイルだけじゃない!
デルの“Inspiron”(インスパイロン)は、個人向けパソコンのブランドのうち、必要なスペックを手ごろな価格で入手できる、スタンダードノートのシリーズとなる。Inspiron 14zは、このInspironシリーズでは初のウルトラブックである。
14~15.6型クラスの液晶ディスプレーを採用したスタンダードノートは、省スペース性を確保しつつ、多くの作業をメインマシンとしてこなせる基本性能の高さを売りとするモデルが多い。これは“デスクトップ代替ノート”という名称が端的に示すとおりだ。大きめの画面サイズで、HDDのほかに光学式ドライブなども装備する点が特徴だが、逆に言えば携帯性はそれほど重視していないものが大半。重量は2kg台後半から3kg程度で、本体の厚さも30mmを超す場合が少なくない。
デルのInspiron 14zは、そんな状況に一石を投じてくれる。
ウルトラブックでありながら、スタンダードノートに必須の光学式ドライブを内蔵。メインノートとしても十分な機能とパフォーマンスを確保しつつ、厚さ約21mm(最薄部20.7mm)、重量約1.87kgと薄型軽量。手に取ると、ドライブ内蔵のノートパソコンとは思えないほど、スリムで軽い印象だ。エントリー層向けの製品ということで価格も抑えられている。
不要な突起が少ないフラットな形状なのでバッグなどにラクに収納できるし、使用しないときには、机の隅に立てかけておけば場所をとらない。また、ポート類は全て側面に配置されており、ACアダプタやUSB機器が後方に突起することがない。狭い机などで使うにはうれしい配慮だ。
無線LANももちろん装備しているので、片手でスッと持ち上げて、別室のリビングに持ち運んで使う……など部屋と部屋をまたいで持ち運ぶことも気軽に実践できる。
またウルトラブックの持ち味が、“薄型軽量”で“リーズナブルな価格”というだけでないという点も、使って見ると良く理解できる。
インテルが定めるウルトラブックのガイドラインでは、マシンの性能やサスペンドからの高速な復帰、バッテリー駆動時間、インターフェースといった項目も規定されている。例えば、CPUはSandy Bridge世代以降のCore iシリーズ、バッテリー駆動時間は5時間以上、無線LAN装備、そして休止状態(ハイバネーション)からの復帰が7秒以内といったもの。
ウルトラブックをうたう以上、Inspiron 14zはこのあたりの基準ももちろんクリアーしている。場所を選ばず、使いたいときに使えて、しかも高性能。これは従来のスタンダードノートの領域でももちろん有効なはずで、Inspiron 14zが今後のメインストリームノートの新基準に足りうると言える根拠のひとつになっている。
机上でACアダプターに接続して使うことを想定するデスクトップ代替ノートは、バッテリー駆動時間も数時間程度と短いことが多い。そのため、ネットワークやマウスなどの各種ケーブルを接続したままの状態でほぼ据え置き状態にしてしまったり、せいぜい寝室からリビングに移動して使うといったユーザーも少なくないハズだ。
しかしそれではもったいない。Inspiron 14zを活用すると、持ち運びたくなるノートの条件が携帯性だけではないという点を改めて実感させられる。