まずはネットワーク関係の設定
初めて「お出かけモニター」機能を利用する場合は、GZ-VX770に接続する(自宅の)Wi-Fiアクセスポイントを登録したあと、JVCケンウッドのウェブサイトでダイナミックDNS(DDNS)のアカウントを取得し、GZ-VX770にアカウントとDDNSのアドレスを登録する必要がある。ルーターを設置している場合はUPnPを有効にするなど、どうしてもネットワーク関係の設定が必要になるが、それはやむをえないところだ。
DDNSの設定が完了すれば、前編(第81回)のダイレクトモニター機能と同様、メニュー画面から「Wi-Fi」→「お出かけモニター」の順に液晶をタップすると、インターネット経由でGZ-VX770にアクセス可能になる。あとはクライアントアプリEverio sync.を起動するだけで、自動的にGZ-VX770内蔵のWi-Fiアクセスポイントが検出され、遠隔操作が可能な状態になる。
外出先から自宅の様子をチェック
最初のテストは駅の改札付近で実施した。前述したとおり、Everio sync.はWi-Fi回線経由でなければ動作しないからだ。しかし、いったん接続してしまうと操作は単純。GZ-VX770がWi-Fiアクセスポイントとなるダイレクトモニター機能に比べると、インターネットを経由するぶんレスポンスは低下するが、ズームイン/アウトや録画開始/停止は変わりなく行なえる。この水準なら、定点観測には十分使えるだろう。
次のテストは、3G回線経由で行なった。Safariを起動し、あらかじめブックマークに登録しておいたDDNSのアドレスにアクセスすると、数十秒ほど後にEverio sync.に似たインターフェースの画面が現われた。アンテナ2〜3本程度の通信条件だったため、コマの書き換えにはかなり時間がかかったが、「自宅の状況をとりあえず確認する」ことはできた。ビデオストリーミングの受信であることを考慮すると、やはりWi-Fi回線で利用したいところだ。
2週間ほど利用したうえでの感想だが、GZ-VX770の「自宅に置いて使う」という提案は、子育て世代にアピールするのではなかろうか。核家族の場合、常に母親が赤ちゃんのそばにいなければならず、大きな精神的負担を強いられるが、この「お出かけモニター」機能を使えば、徒歩5分のコンビニで買い物するだけのために寝ている赤ちゃんを起こす、といった必要がなくなるはず。デジタルビデオカメラの新しい使い方であるとともに、iPhoneをはじめとするスマートフォンの強みを生かした機能と思うが、いかがだろうか。
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