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林 佑樹の「Amazonで自費出版本を販売するまでの道のり」 ― 第1回

まずは企画書作りから! Amazonで自費出版本を売ってみよう!!

2012年06月20日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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 さかのぼると江戸時代やらそれ以前から、人は自費出版がなぜか好きだ。自分で企画し、制作し、販売する。デジタル化が進んで変化したことといえば、それまでは紙中心で自費出版本が展開されてきたが、いまではPDFやEpub方式など、いわゆる電子書籍による流通も盛んになっている。とくに電子書籍の場合は印刷コストをカットできるとあって、いままで以上に敷居が低くなったといってもいいだろう。

 加えて宣伝方法もSNSを利用することで格段にやりやすくなった。また実際の作り方もインターネットや書籍で多大に情報が溢れているので、ちょっとやってみようかとおもった人もいるのではないだろうか。

 ということで、今回から始まる短期連載は、そんな世の流れを無視して、紙の自費出版物を正規の流通ルートに載せるまでのレポートをお送りする……。カッコ良く言ってみたのだが、担当編集氏に今のご時世なら電子書籍でしょうと言ったところ「電子書籍は甘え!」と一喝されたのだった。

狙った色味で見てもらいたいので電子書籍ではなく紙にこだわる

 ちょっと筆者の話になってしまうが、ちょうど筆者がこの業界に身を投じたときは、アナログとデジタルが混在しており、いわゆるDTPへの本格シフトが始まったときだった。某PC雑誌編集部に入ったこともあり、紙のノウハウから覚えつつ、デジタルの流れも同時に体験した。現在ではDTP中心で、人によっては紙媒体に触ったことがなく、Web媒体のみという人もいるくらいだ。なお本連載の担当編集がそうで、紙はまったくわからないとのこと。

 もうひとつ。筆者は個人的に同人サークルを運営している。研究施設などの見学写真をまとめた小冊子を時折制作するというもので、基本的にフルカラーで制作している。読者層は、イラストレーターやゲーム開発者が参考資料として購入してくれることが多いという、よくわからないサークルだが、だいたい刷った部数は捌けている。入手し損ねた人もいて、何度も光学メディアでの領布や電子化はしないのかと読者さんに聞かれたのだが、そのつもりはない。

 これにはちゃんとした理由があり、ひとつは色だ。現在、この記事を読んでいる色は環境ごとで大きく異なるので、こちらが意図した色で見ていただける可能性は極めて低い。AdobeRGBにちゃんと対応したモニターを用意し、カラーキャリブレートして、さらに室内の光源を色再現性の高い(それも美術館クラスの)にしてくれというのは酷以外のなんなのだろうか。

既刊は現在4冊あり、実際のところ本連載で新刊を作るという形になる。なお、まだ微妙に在庫があるので、ご希望のかたはCOMIC ZINの通販ページからどうぞ
本は写真が中心の作品。主に研究施設や巨大建築物を撮影している。取材での未使用カットもあれば、記事掲載写真のレタッチ版もあるといった感じ。購入層はその手が好きな人から、漫画家さんやゲーム開発者などが参考資料にというケース多々

 次に解像度。全体を俯瞰しつつ、細部を見るというアクションは、いまだ紙に優位性がある。加えて、視界占有率からも電子書籍形式は選択肢から外れる。色再現性でいえば、iPad(第3世代)はsRGBの色域を100%カバーしているため、こちらの要望にだいたい耐えきってくれるのだが、視界占有率は紙に及ばない。見ていただくときはどっぷりと浸かってほしいという要求を満たせないからだ。というような理由から、同人誌を電子化する気は起きない。

 そんなわけで、ゼロから紙の自費出版物を作成していく行程を延々と紹介する連載の始まりだ。完成した本はAmazonでの販売だけでなく、実店舗でも販売する(交渉次第だが)ので、制作に興味のある人は毎週チェックしてね!!

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