インターフェースにしても、EthernetやHDMI/アナログRGB出力などを内蔵せず(mini DisplayPort出力は装備)、アダプターでの外付けにしており、MacBook Airのアプローチに近い。
LuvBook Xのデザインを「真似だ」と指摘するのは簡単だが、彼らはむしろ「このデザインが支持されているのだから、Windowsパソコンに取り込んで、より自分達が欲しいと思うものにしたい」と考えたのだろう。重量をより軽くしたこと、あえてカーボンが目立つ加工にしたことなどは、そういった意志の現れだと感じる。
ちなみに、MacBook Airの11インチにはSDカードスロットがないが、LuvBook XにはmicroSDではあるが、カードスロットがある。デジカメとのやりとりという点では厳しいが、ないよりはある方が……という判断だろうか。
ストレージは高速
CPUは旧世代で発熱が多い点に注意
中身の方はどうだろうか? LuvBook Xはいくつかのモデルが用意されているが、直販モデルの場合、違いは搭載OSやOffice 2010の有無程度で、ハード的な仕様は統一されている。今回試用したのもこのモデルである。メインメモリーは4GB、SSDは120GBとなっている。液晶ディスプレーの解像度は1366×768ドット。このあたりは、率直にいって飛び抜けたところはない。ディスプレーパネルは少々コントラストが悪い印象だが、それは高級機と比べた場合の話で、9~10万円という価格帯の競合製品と比較するならば、そうそう悪いレベルではない。
CPUはCore i5-2467M(1.60GHz)。店頭販売モデルでは、CPUがCore i7-2657M(1.60GHz)になっている。筆者としては、この差が性能面で致命的なものとは考えていないが、むしろバリエーションを求めるのは直販利用者だろうと考えるので、ちょっと残念だ。最新のIvy Bridge世代ではなく、Sandy Bridge世代のCPUが採用されているのはややマイナス点といえる。
Windowsエスクペリエンスインデックスの値は「5.7」。ボトルネックはグラフィックスであるが、この傾向も一般的だ。Sandy Bridge世代の欠点が出ているが、SSDのパフォーマンスは十分に高いので、このサイズのパソコンに求められるビジネスやブラウジング主体の用途であれば、動作速度に不足を感じることはあるまい。低価格製品でありながら、ストレージで「7.9」という値が出ているのは十分評価に値する。容量的にも、9万円以下で120GBとというのは、そう悪い値ではない。
バッテリー駆動時間は、バッテリーテストツール「BBench」によるテストで最大5時間強、高パフォーマンス時で3時間40分弱。こちらもサイズから考えると、合格点といっていい。ACアダプターが小型・軽量であることを合わせて考えると、持ち運びに向いた構成になっている。
BBenchによるバッテリー駆動時間テスト | |
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高パフォーマンス設定 | バランス設定 |
約3時間37分 | 約5時間8分 |
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