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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2012 第4回

知ったかできるパーツ基礎知識【ケース/電源/クーラー編】

2012年05月31日 12時00分更新

文● 山県

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2012年の電源ユニット事情を把握しよう

 PCケース選びの解説が終わったところで、引き続き電源ユニットへと話題を移そう。冒頭でも触れたように電源ユニットはPCパーツ選びの中でも1、2を争うほどの重要なカテゴリー。電源の不調は思わぬ故障はもとより、パーツ類への二次的被害も招きかねない。予算をかけるのはもちろん、じっくりと良いものを選んでいきたい。

PCパーツの最重要ポイントといっても過言ではない電源ユニット。予算や性能、品質面で妥協はなるべくしない方が身のため。ベテランユーザーになればなるほど気を使う部分だ

 さて、そんな電源ユニットを買う前に1つの判断基準となってくれるのが「80PLUS認証」だ。ここ数年の間にかなりの認知度を獲得した80PLUS。もう知っているよという人は読み飛ばしてもらって構わないが、今一度この場で整理しておこう。

80PLUS認証ランクと変換効率の違い
負荷率 80PLUS 80PLUS BRONZE 80PLUS SILVER 80PLUS GOLD 80PLUS PLATINUM
負荷20%のとき80%82%85%87%90%
負荷50%のとき80%85%88%90%92%
負荷100%のとき80%82%85%87%89%

 80PLUS認証とは「80PLUSプログラム」(http://www.80plus.org)が提唱する省電力化プログラムで、これまで各電源ユニットベンダーが独自に発表していた電源効率を、検査機関が審査して認証するようになったもの。これにより、ユーザーはベンダーの枠を超え、同一基準で電源効率を判断できるようになった。
 ランクは下から「80PLUS」、「80PLUS BRONZE」、「80PLUS SILVER」、「80PLUS GOLD」、「80PLUS PLATINUM」の計5つ。現在市場ではすべてのランクの製品が販売されている。

80PLUSのロゴ

 変換効率が高くなれば、電力のロスが少なくなり消費電力は削減される。さらに熱になる電力が減るため発熱そのものも減らすことができる。結果としてPCの熱源のひとつを抑えることができ、ファンの回転数ひとつをとっても静かに運用可能となる。

出力500Wの電源を、ファンを停止させた状態で10分間通電した時の内部温度の違い。写真左が80PLUS認証を取得した電源、写真右が非認証の電源。非認証電源のほうがかなり熱くなっていることが分かる

GOLDもPLATINUMも低容量クラスの製品なら7000円台から購入が可能。ひと昔前には考えられないほど低価格になっている

 なお、断っておくが80PLUS認証はあくまで電源効率をランク分けしたもので、電源ユニット本体の品質とは一切関係がない。早い話が80PLUS GOLD認証を取得している電源すべてが高品質という判断は早急というわけだ。

80PLUS認証はあくまで電源効率の目安。高品質な日本メーカー製コンデンサーなどを採用するなど、高い信頼性や安定性とは別問題となる点には注意が必要だろう

電源ユニットのサイズは重要

 ATX電源は規格でその大きさが150×140×86mmと決められているが、最近では規格外の電源も増えている。特に大容量の電源ユニットでは大型の製品が多く、PCケースによってはドライブベイなどと干渉して収まらないことがある。大容量の電源ユニットを購入する際には必ずサイズを確認しておきたい。
 その反対にあえて奥行きを短くしたショートタイプの電源も多い。いずれにせよ、使用ケースの電源搭載スペースとよく相談することがなにより重要だ。

奥行き140mmのコンパクトサイズ設計で、80PLUS PLATINUM認証を取得したAntecの電源ユニット「EARTH WATTS」シリーズ

ケーブルはプラグインタイプを選ぼう

 最後にケーブルについても解説しておこう。現在発売されている電源ユニットの多くは、ケーブルが着脱できる“プラグインタイプ”が採用されている。価格も直結式と比べるとやや割高となってしまうが、不要なケーブルを取り外すことでケース内の取り回しが容易になり、エアフローも確保できるなどプラグインタイプのメリットは大きい。

最近ではメインケーブルまでプラグインとなる製品も少なくない。これに限っては使うことがないというケーブルではないため、直結でもいいような気がしないでもない

自分が使用するビデオカードの外部電源コネクタの有無や種類、HDDやSSDといった各種デバイスの搭載数などはある程度きめたうえで、電源ユニットを選んでいきたい

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