とりあえず映ればいい人向け(ローエンド)
PCでゲームなどはせず、用途はインターネット閲覧やDVD、Blu-rayの鑑賞程度。実は一番多いのではないかというライトなユーザー向けのカテゴリーだ。この場合、ビデオカード編と言っておきながら、そのビデオカード自体は不要。もはやこの程度の利用であればCPU統合のGPU機能で十分その役割を果たしてくれることとなる。
例えばインテル「Core i7-3770K」(Ivy Bridge)であれば「Intel HD Graphics 4000」、AMD「AMD A8-3850」(Llano)であれば「Radeon HD 6550D」をそれぞれ内蔵している。特に後者の「AMD A8-3850」がもつGPU性能は、これまでのオンボードグラフィックの常識を覆すほど大幅に向上。ネットゲームや3Dゲームなどの比較的軽いゲームなら楽々こなすことができるほどで、ローエンドビデオカードは完全に不要といっても過言ではない。
一方の「Core i7-3770K」でもゲーム不要の普段使いPCであれば十分な機能を発揮する。よってローエンドのオススメとしてはオンボードGPUを挙げておきたい。
ハイエンド製品なら今すぐ買い
ミドル向けはGeForce待ちか
ここまで、2012年5月時点での最新ビデオカードについて紹介してきた。AMD「Radeon HD 7000」シリーズはミドルレンジからハイエンドモデルまでしっかりとラインナップがそろっており、ユーザーは好みに合わせた選択が可能となる。
特にNVIDIAが新製品を投入できていないミドルレンジ帯となる「Radeon HD 7850/7770/7750」搭載モデルあたりはライトなゲームユーザーなどにはオススメのライン。Radeon派のユーザーであればすぐにでも購入したいところだ。
両陣営が激突しているハイエンド帯については後発の「GeForce GTX 680」が一歩リード。パフォーマンスもさることながら、消費電力を抑えた作りは非常に好感が持て、ユーザーからの支持も高い。「Radeon HD 7970/7950」シリーズは価格面での対抗措置がそろそろ必要な時期にきているかもしれない。
いずれにせよ、ビデオカード市場全体の動きが活性化するのは、おそらくKeplerベースの「GeForce GTX 600」搭載カードのミドルレンジモデルが発売されてからだろう。
「GeForce GTX 680」を見送ったGeForce派のユーザーは、もう少々の間待ってから、新規ビデオカードの導入を判断することになりそうだ。
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