アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2012 第3回

知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】

スピードを追求する人向け（スーパーハイエンド）

　AMD、NVIDIAともにラインナップを確認したところで、価格面から現在のオススメビデオカードを探ってみよう。現在販売中の最新モデルを上からスーパーハイエンド、ハイエンド、ミドル、ローエンドの4つに分割してみた。

　まずは誰もが羨むスーパーハイエンド。ビデオカードに使うお金は惜しまないというセレブなユーザー向けとなる。現在このカテゴリーに当てはまるのは、NVIDIAのデュアルGPU「GeForce GTX 690」を搭載したモデルのみ。

GTX680シングルに対して、GTX690の性能は1.7倍前後。そしてGTX680 SLIとの性能比は5％程度というスコア。ビデオカード1枚で実現した数値としては優秀だろう

　AMDについては、やはりデュアルGPU仕様の「Radeon HD 7990」(あくまで予想)あたりが用意されていそうだが、今のところ具体的な話は聞こえていない。いずれにせよこのクラスの製品を購入する人は「なんなら2枚買いましょうか」(実際いたらしい)ぐらいの人向けのモデルとなる。

完全にPC1台分の販売価格となる「GeForce GTX 690」搭載カード。そんなスーパーハイエンドモデルもコンスタントに売れていくというから奥が深い、というか単純に羨ましい

ビデオカードにはこだわる玄人さん向け（ハイエンド）

　こちらに該当するのは、AMDが「Radeon HD 7970/7950」の2モデル。NVIDIAが「GeForce GTX 680/670」の2モデルで、いわゆる両陣営がガチでぶつかる市場だ。
　価格帯としては5万円前後となり、いずれも最新PCゲームをプレイする人や、とにかく速いカードが欲しいという人向けとなる。

GeForce GTX 680のポテンシャルを如実に表す「3DMark11」のベンチマーク結果。旧モデルのGeForce GTX 580の1.5倍近いスコアはもちろん、Radeon HD 7970よりも15％ほど高い

　自作をするうえで予算的に迷った場合はあえて選択する必要のない価格帯ともいえるが、少し背伸びをして導入しておけば1～2年は十分現役のゲームPCとして活躍してくれるはず。PCゲーマーを名乗るのなら思い切って購入したい。

MSIから発売中のオリジナルクーラー「Twin Frozr IV」採用のオーバークロックモデル「R7970 Lightning」。あらゆる面からカスタムが施されたスペシャルモデルだ

5本のヒートパイプと2基の冷却ファンを組み合わせた2.5スロット厚の大型クーラー「Dual-X」を採用する「Radeon HD 7970」搭載のSAPPHIRE製オーバークロック版ビデオカード

3スロット厚となる大型クーラー「DirectCU II」を搭載した「GeForce GTX 690」採用のオーバークロックモデルASUSTeK「GTX680-DC2T-2GD5」

Palitからは3連ファンのオリジナルクーラーを搭載した「GeForce GTX 680」搭載ビデオカード「GeForce GTX 680 JETSTREAM」が発売中

性能と価格のバランスを重視する人向け（ミドルレンジ）

　「性能も大切だけど価格も安いカードがいい！」という欲張りな、というかほとんどの人がそう考える価格帯の製品。GPUの性能によって価格のバラツキも見られるのだが、おおむねビデオカードの予算に1.5万円～3万円前後を考えている人はここに該当する。

「Radeon HD 7770/7750」のベンチマーク。高くても1万円中盤で買えるビデオカードとしては十分な高性能を発揮しており、まさにミドルレンジ帯を代表する製品といえるだろう

　ただし先ほども触れたように、現在ミドルレンジ向けの「GeForce GTX 600」シリーズは用意されていない。最新製品にこだわる場合は「Radeon HD 7850/7770/7750」搭載モデルあたりから選択することになる。

SAPPHIREから発売中の「Radeon HD 7850」搭載「HD7850 2G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-I/DUAL MINI DP OC VERSION BOX」。デュアルファン仕様のオリジナルクーラーを採用したオーバークロックモデルだ

GeForce GTX 550 Tiと同等のパフォーマンスを実現しながらも補助電源も不要な「Radeon HD 7750」は非常に魅力的で取り回しの良いモデル。写真はSAPPHIRE製ファンレスモデル「ULTIMATE HD7750 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-I/DP BOX」