矢野経済研究所は5月28日、「中国化粧品市場調査」を実施し、その結果を発表した。
調査結果によると、2011年見込みの同市場規模は前年比10.8%増の1122億元(ブランドメーカー出荷金額ベース)となった。中国化粧品市場は国民の可処分所得の増加や美容意識の高まりを背景に2007年以降、年10%以上の伸び率で拡大している。
また、中国経済の成長が内需主導になってきていることから、2012年以降も同市場は10%以上の高成長を続けると予測。今後の注目ポイントとして、商品面ではスキンケア分野での美白化粧品・自然派化粧品の台頭とメイクアップ市場の拡大、価格面では個人消費の拡大が著しい内陸部の3・4級都市の消費者や消費の中心になると期待される「80后(バーリンホー)世代」をターゲットとした、ミドルクラス・マスクラス(中心価格帯が200元未満の化粧品ブランド)市場の拡大、流通面では化粧品専門店・薬局・ネット通販の台頭によるマルチチャネル化の進展、広告宣伝・販促面ではインターネットやビル内・屋外広告などの新手法の拡大を挙げている。
調査期間は1月~4月。調査対象は化粧品メーカー、小売店、政府関連部門など。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話および店頭調査。