モバイルSuicaやWiMAXも使える
おサイフスマホの落とし穴として「おサイフ対応だが、個別サービスが未対応」という事態がよくある。その点HTC Jはさすが国内市場を強烈に意識した端末。端末発売当初からモバイルSuicaを利用できるなど、購入後、即実戦投入できて頼もしい。ただし、一部でFeliCaが使えないという報告もあるようで(auとしてはFacebookでこのように対応手段を公開している)。また、ワンセグは視聴や視聴予約に加え、録画や録画予約も可能とかなり実用的だ。
auのスマホということでWiMAXにも対応。ただし高速3G通信の「WIN HIGH SPEED」には非対応だ。3G通信速度は下り最大3.1Mbpsだが、WiMAXエリア内であれば最大40Mbpsでの通信が可能なので、WIN HIGH SPEEDを使えないデメリットはあまり感じない。地方でも主要都市の市街地なら高速通信を期待できるだろう。
CPUは主流のデュアルコアで、国内の歴代HTC社製端末で最高クロックとなる1.5GHz動作のMSM8660Aを搭載。ウェブ閲覧のほか高画質動画ストリーミング視聴や3Dゲームなどの重たいアプリも快適に動作した。
高音質がコストゼロで手に入る
音がイイのがHTC J最大の魅力。それを実現するのが、HTC社と米Beats Electronics社がHTC J向けに共同開発した付属のインイヤーヘッドホン「Beats by Dr.Dre urBeats In-Ear Headphones」と、Beats社の高品質音源システム「Beats Audio」だ。ヘッドホンは非売品で1万数千円相当のモノ。新たにヘッドホンを購入するという追加コストが不要で、これだけでも単純におトクだ。
個人的にはボーズよりも上かも
やや乱暴な言い方だが、一般的にヘッドホンの音質は価格で決まる。5000円台、1万円台、2万円台と価格帯が上がるほどイイ音で聴ける。HTC J付属のヘッドホンは1万数千円相当の品物。iPhone付属のヘッドホンや、ソニー製で約5000円のインイヤーヘッドホン「MDR-XB21IP」と聴き比べてみたところ、音質の差は歴然だった。
音の輪郭が鮮明ですべての音域が聴きやすい。とくにスゴイのが、中低音域の迫力と臨場感。メリハリが効いている。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のイントロを奏でる12弦ギターの繊細で豊かな音色。ベースの弦がフレットに擦れるリアルな音。まるで生演奏を聴いているかのようと言うと大げさだが、それほど音がイイのだ。
ちなみに筆者はベースやドラムスが効いた曲が大好きだ。ややシャリシャリ感の強いボーズのモバイルヘッドセット(約1万5000円)よりも、HTC J付属のヘッドホンの方が好みだと、個人的には感じた。
残念なのは、ヘッドホンのリモコンボタンで音量調整ができないこと。前の曲/次の曲ボタンはすでに搭載済みなので、今後のアップデートにより、これらのボタンで音量調整が可能になることを期待したい
ワンセグの音声をイイ音で聴けないのも寂しい。Beats Audioは基本的に、音声再生アプリなら標準搭載か追加アプリかを問わず、どんなアプリでも対象となる。しかし、なぜかワンセグは対象外。ワンセグに音質の良さを求めるかは別にして、ここまで高音質だと、どうしても完璧を求めてしまうのは筆者だけではないハズだ。
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