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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2012 第2回

知ったかできるパーツ基礎知識【ストレージ編】

2012年05月29日 12時00分更新

文● 山県

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SATA対応3.5インチHDDの最大容量は4TBへ突入

 さて洪水の話題にばかり目が行きがちだが、2011年から2012年にかけてのHDD関連トピックはほかにも多い。容量3TB HDDの登場から約1年。Serial ATA対応3.5インチHDDとしては初の4TBとなる製品がHGSTから登場している。

ゆっくりだが、確実に容量を増やしていくHDD。2011年12月、ついに4TBの世界に突入した

 販売価格は約2万6000円と2TB HDD2台分よりもさらに高い計算となるが、供給メーカーはHGSTのみ。現在も入荷後、時間はあまりたたずに完売となる例が後を絶たない。とにかく大容量派というユーザーには気になるモデルとなっているようだ。

パフォーマンスに期待!
1プラッターで1TBを実現したモデルも

 4TBの話題と並行して覚えておきたいのが1枚のプラッター(データを記録する円盤)で容量1TBを実現したモデルだろう。HGSTから2011年9月に登場した「Deskstar 7K1000.D」シリーズの1TBモデル「HDS721010DLE630」が、その1プラッターで1TBを実現した初のHDD。パフォーマンスに期待するユーザーがこぞって購入して人気となった。

ディスク(プラッター)を1枚しか搭載していないので重量も軽く、「HDS721010DLE630」では450g(Deskstar 7K1000.Cシリーズの1TBモデルは680g)となっている

人気健在、1万回転の高速HDD
「WD VelociRaptor」の新モデルが登場

 回転数1万rpmを誇る高速HDD、WesternDigital「WD VelociRaptor」シリーズが2012年の5月にデビューした。2.5インチサイズのHDDにヒートシンク型マウンター「IcePack」を装着する独特のデザインも健在。SSDの低価格化が進む現在、かつてほどの魅力はなくなったものの、新たに1TBモデルが追加となったことで、にわかに注目を集めている。

「WD VelociRaptor」シリーズに1TBモデルが登場。かつては同シリーズのHDDを使ったRAID構成などがハイエンドユーザーの間で流行した。現在は3つの新モデルが販売中だ

9.5mm厚で容量1TBの2.5インチHDDが続々登場

 従来は12.5mm厚しかなかった容量1TBのSerial ATA対応2.5インチHDD。ここにきてようやく9.5mm厚の製品が各社から出揃いつつある。特にノートPCに換装する場合、低容量のSSDではモノ足りないというユーザーにとっては、重要なニュースとなる。

ノートPCの場合、貴重な2.5インチスペースをSSDにするかHDDにするかは迷いどころ。とはいえ9.5mm厚の1TBモデル登場は見逃せないニュースだ

 まずはSAMSUNG「Spinpoint M8」シリーズから「HN-M101MBB」が発売(2011年6月)。Western Digitalのモバイル向けHDD「WD Scorpio Blue」シリーズからは「WD10JPVT」が発売された(2011年9月)。またHGSTからは「Travelstar 5K1000」シリーズの「HTS541010A9E680」が(2012年3月)、東芝からも「MQ01ABD100」(2012年4月)がつい先月発売となっている。

Macで採用されている次世代高速インターフェース
「Thunderbolt」を忘れるな!

 今のところ、Windows系自作ユーザーにはあまり関係のないデバイスとなるが、次世代の高速インターフェースとして覚えておきたいのが「Thunderbolt」だ。秋葉原でも、同インターフェースに対応したWestern Digital製の外付けHDD「My Book Thunderbolt Duo」が登場しており、いち早く入手は可能な状態だ。

USB 3.0より2倍高速なインターフェース「Thunderbolt」。対応OSはMac OS X 10.6.8以上で、OS起動も可能だが、現時点でWindowsはサポートされていない。ただし今年後半にかけて自作PCの世界でも新たなトレンドになりそうな雰囲気である

 今年の後半にかけて、自作PCの世界でも「Thunderbolt」が新たなトレンドになる可能性があるので、Macユーザーだけではなく、Windowsユーザーも頭の片隅には置いておこう。

1台あると便利な最新クレードル

 ストレージデバイスとは少々話がずれるものの、1台あると非常に便利なアイテムがSSD/HDD用のクレードルだ。HDDやSSDの低価格化とともに、ケースには組み込まないストレージが増えてきた、または換装後の余ったHDDがもったいないといった悩みを解決してくれるのがこれらのアイテム。

カードリーダー機能を備えるSerial ATA HDD/SSD対応のクレードル「裸族のお立ち台USB3.0カードリーダープラス」。PCとの接続もUSB 3.0のため高速な転送が可能だ

 カードリーダーやハブといった追加機能を同時に搭載するものも多く、バリエーションも豊富だ。机の上に1台あると意外な活躍を見せてくれるので購入を検討してみるとよいだろう。

2012年は是非SSDの導入を!
HDDは完全にデータ向けデバイスに

 ここまで2010年から2011年3月までのストレージデバイスについて紹介してきた。もはや新規にPCを自作するうえで、SSDの導入を見送る理由はなにひとつ見当たらない。これだけ分かり易い高速化アイテムもなく、他のパーツぶんの予算を回してでも搭載するべきだ。起動ディスクとしては欠かせないデバイスとなったのはもちろん、2台目や3台目の追加搭載も十分アリといえる。

もはや新規にPCを自作するうえで、SSDの導入を見送る理由はなにひとつ見当たらない。ショップで販売している製品の数も多いが、その性能を左右するコントローラーはわずか4種類しかない。自分に合ったコントローラーさえ決めてしまえば、製品をかなり絞り込める

 一方のHDD。こちらは順調に値下がりを続けていた販売価格に文字通り「洪水」という水をさされた状況が発生。半年間は以前の価格を知っていると購入しがたい状態だったが、現在はさすがに落ち着いた。SSDの価格がこうも下落してくると、もはや用途はデータ保管に完全に絞られてくるので、購入する際も割り切った態度で必要な分だけ用意すればいいだろう。

タイの洪水で品薄と価格高騰に見舞われたHDD。現在は落ち着いてきているものの、SSDの価格下落を考えると、HDDはデータ保管用と割り切ったほうがいい。とはいえ容量4TBの出現や1万回転HDDの復活など、技術はまだまだ進歩を続けている

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