セカンドPCに最適なFusion APU「AMD A」シリーズ
AMDにおける2011年の重大ニュースとして忘れてはならないのが、デスクトップ向けとしては初のCPU/GPU統合プロセッサー(APU)となる「AMD A」シリーズの登場だ。デスクトップ向けのミドルレンジ帯をカバーしつつ、GPUコアには4基のRadeon Coreと1基のSpecial Function Radeon Coreを搭載した「Sumo」コアを採用している。
A8シリーズで採用されるGPUコア「Radeon HD 6550D」を筆頭に、ローエンドビデオカード顔負けのGPU性能を叩き出す。ハイエンドのゲームをバリバリやるほどではないが、ネットゲームや3Dゲーム等の比較的軽いゲームなら楽々こなせる。安価かつ高性能な2ndマシンを組みたいなら非常におすすめのプラットフォームといえる。
AMD Aシリーズのスペック表 | |||||
---|---|---|---|---|---|
モデルナンバー | A8-3870K | A8-3850 | A8-3800 | A6-3670K | A6-3650 |
開発コードネーム | Llano | ||||
プロセスルール | 32nm SOI | ||||
コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
動作クロック | 3.0GHz | 2.9GHz | 2.4GHz | 2.7GHz | 2.6GHz |
TurboCore時クロック | 非対応 | 非対応 | 2.7GHz | 非対応 | 非対応 |
倍率ロックフリー | 対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
L2キャッシュ | 1MB×4 | 1MB×4 | 1MB×4 | 1MB×4 | 1MB×4 |
TDP | 100W | 100W | 65W | 100W | 100W |
内蔵グラフィックス機能 | Radeon HD 6550D | Radeon HD 6550D | Radeon HD 6550D | Radeon HD 6530D | Radeon HD 6530D |
モデルナンバー | A6-3600 | A6-3500 | A4-3400 | A4-3300 | |
開発コードネーム | Llano | ||||
プロセスルール | 32nm SOI | ||||
コア数 | 4 | 4 | 2 | 2 | |
動作クロック | 2.1GHz | 2.1GHz | 2.7GHz | 2.5GHz | |
TurboCore時クロック | 2.4GHz | 2.4GHz | 非対応 | 非対応 | |
倍率ロックフリー | 非対応 | 非対応 | 非対応 | 非対応 | |
L2キャッシュ | 1MB×4 | 1MB×3 | 1MB | 1MB | |
TDP | 65W | 65W | 65W | 65W | |
内蔵グラフィックス機能 | Radeon HD 6530D | Radeon HD 6530D | Radeon HD 6410D | Radeon HD 6410D |
2種類展開中のマザーボードも
上位モデル決め打ちでOK
AMDのCPU/GPU統合プロセッサー「Fusion APU」では、CPUコア、GPUコア、ノースブリッジの3つの機能が統合されている。そのため、チップセットには主にサウスブリッジの機能を持つ「Fusion Controller Hub」(以下FCH)を使用することになる。そのチップセットとして用意されるのは「A75」と「A55」の2種類。上位の「A75」では、SATA3.0×6、USB 3.0×4をサポートするのが特徴だ。
なお、AMD Aシリーズでは、プロセッサーに搭載される機能も大きく変わったことから、ソケット形状もこれまでとは互換性のない「Socket FM1」へと変更された。それに合わせてリテンションの形状も変更されているが、基本的にはSocket AM2/AM2+/AM3/AM3+のCPUクーラーをそのまま使うことができる。
ちなみにマザーボードは上位の「A75」チップセット搭載モデルから選んでOK。安価なモデルなら5000円台からの購入が可能だ。
組み込み向けとなる「AMD E」シリーズもアップデート
組み込み向けとなるAMD Eシリーズもアップデートされているので確認しておこう。従来モデル「AMD E-350」の上位にあたる「AMD E-450」を搭載した製品が10月から発売されている。
クロック周波数が1.65GHz(E-350は1.6GHz)、内蔵GPUがRadeon HD 6320(同Radeon HD 6310)、GPUクロックが508MHz(同492MHz)/最大600MHz、対応メモリーがDDR3-1333(同DDR-1066)と、それぞれ若干ながら機能向上が図られている。採用製品にはMini-ITXフォームファクターの製品も多く、小型PC向けには最適なプラットフォームとなる。
忘れちゃならない……
VIA初のデュアルコア「Nano X2」もあるよ
かつてはオンボードCPUの代名詞となっていたVIA製のプロセッサー。最近ではめっきり見かける機会も減っているのだが、2011年10月にはファン待望(?)となるVIA初のデュアルコアCPU「Nano X2 U4025」を搭載した小型ベアボーンが登場している。自作系ニュースとしては押さえておきたいところだが、実用性と言う点では少なくとも初心者ユーザーにはオススメできない。
この連載の記事
-
第4回
PCパーツ
知ったかできるパーツ基礎知識【ケース/電源/クーラー編】 -
第3回
PCパーツ
知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】 -
第2回
PCパーツ
知ったかできるパーツ基礎知識【ストレージ編】 -
第-1回
PCパーツ
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2012 - この連載の一覧へ