自分の腕前が上がったような気がする4K2Kビデオカメラ
続いて、撮影機器はどうなのか。先日発売されたばかりの4K2Kビデオカメラ「GY-HMQ10」を見せてもらった。
業務用の4K2Kカメラは他社からも発売されているが、本機は業務用機としてはかなりのコンパクトサイズを実現しており、ロケ撮影などで手軽に活用できることが特徴。さらに、記録するメモリーカードもSDメモリーカードを4枚使用するというもので、業務用の高価なメモリーカードを使わないため、ランニングコストの点でも有利になっている。
何より実売価格が50~60万円程度と、4K2Kカメラとしてはかなり安価に入手できるのもポイント。4K2Kカメラというと数百万円はしそうなイメージがあったが、GY-HMQ10は個人レベルでもなんとか手が届きそうな(?)値段だ。
撮影解像度は3840×2160ドットで、60p/50p/24pの撮影が可能。圧縮方式はH.264/MPEG-4形式となる。このほか、AVCHDフォーマットのフルHD撮影も可能だ。
実際に触らせてもらったが、サイズ的には民生用モデルよりもちょっと大きいくらいで、片手で普通に取り回せる。放送機器と接続するためのBNC端子のマイク入力の採用など、業務用ならではの装備も目に付くが、SDメモリーカード採用ということもあり、業務用のための装備を省略すれば容易に民生用モデルとして発売できるとさえ思う。
ホーム&モバイル事業グループ HM技術統括部 商品設計第一部 電気グループ チーフの平田卓哉さんによれば「このモデルは基本的に放送局などで使うモデルですが、ハイアマチュア層のビデオカメラユーザーの方にも注目いただいており、実際に購入された方もいるようです」とのこと。
高価であることは間違いないが、最近増えているハイエンドデジタル一眼で動画撮影を行なうなどのハイアマチュアユーザーならば、買ってしまう人がいても不思議ではない価格だ。
そして驚いたのがデモ用に撮影された映像の美しさ。アメリカのラスベガスでのホテルの風景を撮影したもので、さすがにプロがきちんとライティングして撮影すると一味違うよな、と感心していたのだが……。
「本機の発表を行なったCESに持ち込んだカメラを使い、開発メンバーが会場の外へ持ち出して撮ってきたものなんです。その場で撮ってCESでデモ再生しました(笑)」(平田さん)
なんと、素人撮影だった。開発メンバーだから、ビデオカメラには十分詳しいだろうが、それでもプロのカメラマンではない。筆者がビデオカメラで撮影するのと同じように、フルオートのまま撮影したものだというのだ。
しかし、実際に見た映像はとても素人が撮った映像とは思えない。4K2Kビデオカメラを使うと、撮影した人の腕前が上がるのか?
「4K2Kは解像度が高く、情報量が圧倒的に増加します。そのため映像の臨場感が豊かで、奥行き感のある映像になりますね。撮影が上手になったような気がするのは、そのためでしょう。プロが苦労して撮影した驚きや感動のある映像が誰でも撮れるようになるというのは、大きな魅力と言えますね」(平田さん)
いやいや、筆者もビデオカメラ撮影は大好きで、ドキュメント番組やBDソフトのような映像を自分で撮ってみたいという憧れはある。そんな人にとって、やはり4K2Kビデオカメラの映像はぜひとも手に入れたいと思うに違いない。
ちなみに実用上、とても便利だと感じたのは、画面のタッチした部分をフルHDサイズ分だけトリミングして拡大表示できる機能。再生中に細かい部分をズーム再生できるほか、撮影時にはズーム表示でフォーカスの確認にも使える。
拡大してもフルHDというのもさすがだが、4K2Kで微妙なフォーカスのズレを確認するのには大いに役立つだろう。
なお、GY-HMQ10は丸の内にあるJVCのショールームでも見ることができるので、気になる人はぜひ見に行ってほしい。日曜祝日は休みとなり、イベントなどが行なわれることもあるので、事前に連絡して予約して行くのがおすすめだそうだ。
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