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Ultrabook「XPS 13」の上質さを突きつめる「宮崎カスタマーセンター」 (4/4)

2012年06月18日 11時00分更新

文● 日高 彰

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宮崎という地の利が生む、安定したセンター運営

 川崎に続くデル第2の国内拠点を置く場所として宮崎を選択したのは、宮崎県などがIT産業誘致のため助成制度などの各種支援策を用意していたのが直接のきっかけだが、それだけが理由というわけでもない。

 前述の通り、デルでは正社員がサポートを担当しており、人材の安定性が極めて重要になる。「土地柄」といえるかはわからないが、宮崎サポートセンターにおいては比較的長期にわたって安定的に勤務する社員が多く、ニーズに応じて順調に業務を拡大できたといい、秦氏は「(宮崎という地を選んだ)最初の判断は正しかった」と強調する。

 また、男女問わず働きやすい環境を整えるため、育児支援のための人事上の制度を拡充しており、就業時間の短縮やシフトの固定などにも柔軟に対応するほか、職場全体として長期の育児休暇を取っても復帰しやすい雰囲気が醸成されているという。

フロアのうち、大通り側に面した一画には明るいフリースペースが用意されている。休憩場所として利用されているほか、チームのミーティングなどが行なわれることも

 各部門で人材が必要になると社内でも公開で募集を行ない、社員はそれに対して自由に応募でき、しかも現在の上司に拒否権はないという。このため、サポートを担当していた社員がそこで得た知見を活かしてセールス・マーケティングに移ったり、あるいは人事などの管理部門へ異動したりということも珍しくない。秦氏は「自分の能力を一番発揮できるところで働く合理的な人事制度」と説明し、社内での異動はむしろ積極的に促進しているという。

 今回の訪問では、電話サポート対応中のスタッフの姿も多数見ることができたが、明るい表情で落ち着いて話しているスタッフばかりというのが印象的だった。サポート窓口というと、ユーザーの不満や怒りが集中する場所というイメージがあるが、オフィスの雰囲気からはそのようなネガティブな感情は感じられない。

 もちろん各スタッフごとに、対応件数などに関する目標値は設けているが、打ち合わせそのほかサポートにあたる以外の時間なども十分確保したうえで適切な量を設定しており、秦氏は「コールセンター業界の平均値からすると本数は少ないほうだと思う」と話す。ユーザー満足度向上のためには、限られた時間の中で多数の問い合わせをこなすことも当然必要だが、それを至上命題とするのではなく、1件1件の問い合わせに対して高いレベルのサービスを提供することを重要な課題として考えているとした。この点も、明るく働きやすい職場環境として反映されているようだ。

「Inspiron」へとサポート拡大
「Windows 8」に向けた準備も開始

 当初はXPSとALIENWAREを対象に提供していたプレミアム電話サポートも、現在は普及価格帯商品であるInspironへと拡大しており、今後さらに利用が増加すると考えられる。実際に、ソフトを使い始めてからのトラブルではなく、セットアップ方法など利用開始前の段階での問い合わせや、商品が自宅に届いてすぐ「まず何をつなげばいいのか」と電話をかけてくるユーザーも増えているという。

 センター内ではすでにWindows 8の登場に向けた準備も開始しており、初心者からヘビーユーザーまでひとりひとり異なるニーズに対応できるよう、サービス品質向上をめざして努力していくとした。

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