「自分がこのお客様の問題を解決する」というオーナーシップ
問題解決までユーザーを確実にフォロー
各製品別のサポート対応部門は、例えば同じ法人製品であっても従業員規模や公共機関向けといった具合にエリア分けされており、さらにエリアの中に「チーム」と呼ばれる10〜15名前後のグループが複数設置され、日常の業務はチーム単位で行なっている。また、電話だけでなくメールおよびチャットでのオンラインサポートに対応する部門も設置されている。
サポート対応スタッフのデスクには業務に使用するPCに加え、ユーザー側での操作を再現するために同じ実機を設置するためのスペースが用意されている。ユーザー側で実際に発生する画面遷移や表示される語句と、スタッフ側が告げる内容がわずかに違うだけでも初心者は戸惑うことがあるため、スタッフの手元で確実に同じ状態を作れるようにしているわけだ。さらに、インターネットに接続されているユーザーであれば、了解を得たうえでユーザー側の画面をスタッフと共有して問題解決にあたることもできる。
宮崎でのサポートサービスを統括するCSMB(Consumer, Small & Medium Business)カスタマーサービス ディレクターの秦宇暉氏によれば、同センターでは、各スタッフが「自分がこのお客様の問題を解決する」というオーナーシップを持って、ひとつひとつの問い合わせに対応することを強く心がけているという。
具体的には、ユーザーからの電話がたらい回しにならないよう、1件のトラブルに対して問題解決するまで可能な限り同じスタッフが案件を担当する。また、OSの再インストールなど時間がかかる作業が発生していったん電話を切った場合、その後ユーザーからの反応がなくても「問題が解決したのだろう」と判断せず、センター側から連絡を入れて確認するという。ユーザーの最終的な不安解消まで、すべてのスタッフが責任を持ってあたるようにしている。
また、サポート範囲外となるため回答できない内容に関しても、ではどこに問い合わせるべきか、解決の可能性の高い窓口を案内するなど、できるだけ「こちらでは対応できません」の一言で終わらず、ユーザーが次のアクションを起こしやすいようにしている。さらに、PC本体とセットで販売している周辺機器の一部については他社とも連携し、周辺機器メーカーのサポート窓口からユーザーへ連絡するよう連携するといった試みも実施している。