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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第91回

7.7型有機EL搭載、REGZA Tablet AT570の完成度は?

2012年05月17日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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HDMI接続は「クレードル経由」
地デジチューナー内蔵モデルが望まれる

 AT570の内蔵ストレージは、32GBもしくは64GB。今回テストしたのは32GBモデル「AT570/36F」だが、機能として変わるものではないので、好みで選んでかまわないだろう。ストレージ拡張用としては、microSDカードのスロットが用意されている。写真などを取り込むと考えるとフルサイズのSDカードスロットの方がいいが、さすがにこのサイズには入らなかったのだろう。

本体内には32GBもしくは64GBのストレージを内蔵。出荷時状態では3GB程度がすでに消費済み

 拡張用にはmicro USB端子と、専用ポートが別々に用意されている。USBの方はA・B両対応なので、周辺機器の接続にも使える。他方、充電は基本的に専用ポートから、専用ケーブルを使って行なう。この専用ケーブルからの充電はUSB経由。ACアダプターもUSBで給電するタイプのものだ。

本体右側面。右よりヘッドセット端子、micro USB(A/B共用)、microSDカードスロット

 専用ポートはHDMIやUSBの機能を内包しており、専用クレードルと組み合わせると、各種周辺機器の拡張が簡単にできるようになっている。他方、HDMIでの外部ディスプレーとの接続は、専用クレードル経由でしかできない。テレビにタブレット内の映像を写したいと思った時、気軽にできないのはちょっと残念だ。

専用クレードルを使えばHDMI出力も可能だが、できれば出力端子は本体に欲しいところだ

 タブレットと言うとiPadを中心に、9から10インチディスプレーの製品が現在は主流である。だが持ち運びを考えると、7インチクラスの待望論も根強い。7.7インチ有機EL搭載製品としては、日本ではまだ発売されていないものの、海外ではサムスン電子の「GALAXY Tab 7.7」がすでに存在している。筆者もそちらは短時間しか触ったことがないので、速度や画質などの比較は差し控えておく。だが、仕上げなどの高級感では、AT570の方が上であると感じた。「板」的デザインのソリッド感が好ましい。

 AT570はWAN搭載版がなく、通信機能はWi-Fiのみなので、単純に比較するのは難しい。AT570も十分に見劣りしないできだと思うが、コンセプト的に考えると、このモデルに地上デジタル放送やワンセグのチューナーがないのはもったいない、とも思う。東芝の上位機種「AT830」には地上デジタル放送のチューナーが内蔵されているし、GALAXY Tab 7.7には、各国のモバイル向け放送チューナーを内蔵したモデルも存在する。AT570にもそういうモデルがあっても良かったのではないか、と思う。

 またちょっとしたことだが、2つ気になる点もあった。ディスプレーと採用している書体のバランスが悪く、文字表示がいまひとつ美しく感じられない。せっかくの美しいディスプレーなのだがら、ここでももう一声こだわってほしかった。

ウェブブラウザーの画面(縮小せずに掲載)。動作は快適そのものだが、文字の表示バランスがあまり美しくない。これだけのディスプレーなのだから、そろそろ採用する書体にもこだわってほしいところ

 タッチセンサーの反応はいいが、精度の面で若干の不満を感じた。これよりも精度の悪い製品はいくつもあったが、AT570のボディーの出来やディスプレーの美しさに比べると、ちょっとこだわりが足りない印象だった。製品版でよりチューニングが効いて、良い出来になっていることを期待したい。

 AT570は国内で販売されているAndroidタブレットの中でも、完成度の面ではトップクラスだと思う。だが、有機ELを生かす要素をもう一声入れた方が、差別化にはプラスではないか、と感じる。

お勧めする人
・タブレットを動画中心に使う人
・軽くて薄いタブレットを求めている人
REGZA Tablet AT570/36Fの主な仕様
CPU Tegra 3(1.30GHz)
メモリー 1GB
ディスプレー 7.7型ワイド 1280×800ドット
ストレージ 内蔵フラッシュメモリー 32GB
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 3.0
インターフェース microSDカードスロット、micro USB(2.0)、ヘッドホン/ヘッドホン端子
サイズ 幅204.5×奥行き135.2×高さ7.9mm
質量 約332g
バッテリー駆動時間 約10時間
OS Android 4.0
予想実売価格 5万3000円(5月下旬発売予定)

■関連サイト

■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介─西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に「電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「災害時ケータイ&ネット活用BOOK」(共著、朝日新聞出版)、「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(エンターブレイン)、「リアルタイムレポート デジタル教科書のゆくえ」(TAC出版)。最新刊は「スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場」(アスキー・メディアワークス)。

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