iCloudを使った「写真共有SNS」―「Instagram」対抗?
そしてもうひとつ、iOSだけの話ではないが、アップルのクラウドサービス「iCloud」に関する新しい情報が出てきている。Wall Street Journalでは、WWDCにおいてiCloudの新機能を発表するという関係者の話を紹介している。
その内容は、iCloud上でユーザーが他のユーザーと写真を共有し、それにコメントを付けられるようなものだという。現在、iCloudでは「Photo Stream」と呼ばれる機能を使ってデバイス間での写真同期を可能としているが、これは他者への公開向けの機能ではない。
新サービスのイメージは写真を使ったSNSのようなもので、WSJは同種の例として米Facebookが10億ドルで買収した写真共有サービス「Instagram」を挙げている。おそらく、iCloudの新サービスであると同時に、次期iOSの写真アルバムやカメラアプリに標準で付与される共有機能になるとみられる。
この話がもし事実だとすれば、サービスの内容以上に興味深いのは、「アップルがSNSへの興味を失っていない」ことだ。マイクロソフトなどのライバルはFacebookへの資本投下やWindows 8における機能実装にみられるように、自らはSNSを持たず、各種外部のサービスを利用する形態を採用している。
一方でアップルは音楽SNSの「Ping」にみられるように、ユーザー間での情報共有やコミュニケーションを積極的に推進するような仕組みを模索しており、今回噂されるサービスもまた、こうした動きを加速させるものとみられる。現時点でアップルがSNS市場におけるプレゼンスをもっているのかどうかは意見の分かれるところだが、少なくとも噂されるサービスは、Flickrを買収した米Yahoo!や、Facebookといった既存サービスに対抗する形になるかもしれない。
