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【CTIA 2012 レポ】基調講演で見える米携帯事業者の事情

2012年05月11日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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周波数が足らないのはアメリカも同じ
原則はオークションによる周波数割当を行なう

 モバイルインターネットのサービスが日本ほど普及してなかったアメリカでは、数年前までは音声通話が主体で、データ通信の比率は低かった。このため事業者のビジネスは安定していたものの、大きな成長は難しかった。

 というのは、人間が通話する時間は限られている。そのうち携帯で通話している時間はさらに限定的だ。しかし、データ通信は、ユーザーが利用しようとしまいと、メールの着信やSNSの自動更新など、人間が直接操作しなくてもネットワークを利用してくれる。定額制のデータ通信で、携帯事業者は収入を増やしてきた。

 アメリカでは2009年には6ヵ月間に、1人のユーザーが行うデータ通信量は672.2MBだったのに対して、2011年には2.4GBとわずか2年で4倍近くに伸びたという。もちろん原因はスマートフォンである。2010年から2015年の間は、さらに20倍になるといわれている。

 もっともアメリカでは、データ通信が増えたからといっても、通話が減ったのかというとそうでもない。アメリカ人はOECD諸国の中で毎月の通話時間がもっとも長い。2位のカナダの倍近くあり、月に平均777分間の通話が行われている。

 現在の米国携帯電話市場に起こっているのは、周波数の不足である。事業者に割り当てられている周波数ではもう帯域が足りないところがあるのだ。こうした周波数割り当ては、アメリカではFCC(連邦通信委員会)が行なう。

 初日の基調講演では、CTIAのCEOであるSteve Largent氏がもっと周波数割り当てをという内容の講演を行い、これに対してFCCのJulius Genachowski氏は、オークションにより新たな周波数割り当てを行う旨の話を行った。

 周波数オークションには、賛否両論あるのだが、政府の収入を増やし、受益者負担となるというメリットがある。反面、オークションで価格が高騰すると、事業者の体力を落とし、設備投資に影響が出るほか、結果的に携帯電話のユーザーの負担も増えることになる。のんびりとしたところのあるCTIA WIRELESSだが、基調講演を見るだけでも、アメリカ携帯電話市場の動向が見えてくる。


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