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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第113回

捨てられない紙焼き写真・プリクラを高画質で電子化する技

2012年05月08日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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フィルムをデジタル化する

 フィルムスキャン対応のフラットベッドスキャナーなら、ネガやポジなどを直接デジタル化できる。紙焼き写真ほどではないが、フィルムも劣化するので、できるだけ早くデジタル化しておきたい。

 フィルムスキャンを行なうには、フィルムをフィルムホルダーにセットする。GT-F730の場合、フイルムホルダーは標準で原稿マットの裏に収納されている。35mmのストリップフィルムをスキャンする場合は、フィルムホルダーのカバーを開いて、裏向きにセットする。ネガ・ポジのどちらでもスキャン可能だ。フィルムホルダーを所定の位置にセットしてカバーを閉めて、スキャンすればいい。35mmマウントフィルムの場合は、マウント用のホルダーにフィルムを裏返したうえ、上下逆にセットする。GT-F730では、ストリップフィルムなら6コマ、マウントフィルムなら4コマを1度にスキャンできる。

フィルムホルダーを取り出す

フィルムをセットする

フィルムホルダーをセットする

 フィルムをセットしたら、EPSON Scanの設定画面で「原稿種」を「フィルム」にする。続いて、ネガもしくはポジのフィルムタイプや画像調整機能を設定。解像度も指定する。ここで注意したいのが、紙焼きと違って300dpiや600dpiでは足りないという点。元原稿のサイズが小さいので、高解像度で保存しなければならない。

 L判やはがきサイズに印刷するなら1200dpi、2L判に印刷するなら1600dpiが必要。A4用紙いっぱいに印刷する場合は、2400dpiで取り込んでおきたい。GT-F730は最大4800dpiでの取り込みが可能だが、それ以上だとスキャンに時間がかかるうえ、ファイルサイズが大きくなるので無駄になってしまう。例えば、2400dpiだと6コマスキャンするのに6分15秒で済むところが、4800dpiだと12分30秒かかるのだ。ファイルサイズも1.1~1.6MBから4~5.5MBにアップする。A3以上の紙に印刷するのでなければ、2400dpiで取り込んでおこう。

フィルム用の設定でプレビューする

それぞれの写真を綺麗に取り込めた

紙焼きだけなら複合機でもOK

 複合機(「最新の無線LAN複合機で空間とコストを節約する技」参照)を持っているなら、スキャナーとして活用しよう。上部がフラットベッドスキャナーになっているので、写真の取り込みはお手の物だ。筆者の持っている「EP-703A」はメモリーカードにスキャンデータを保存できるので、PCを使わずデジタル化することもできる。しかし、スキャナー専用機と比べると性能が劣るうえ、フィルムスキャンができないことが多い。物足りなくなってきたら、専用機の購入を検討してもいいだろう。

手持ちの複合機でも紙焼き写真やプリクラをスキャンできる

 紙焼き写真やプリクラ、フィルムはすべて電子化してしまおう。最近取ったデジカメ画像とともに、すべてが1ヵ所に保存されているのは非常に便利。写真の活用度も格段に高くなることは間違いない。古い写真をいつでも見られることで、昔を思い出し、親孝行や家族孝行をしようと気になるのも大きなメリット。女の子と飲むとバスケットボールが入ったような腹をさすられることが多いが、やせている頃の写真を見せて、さらに笑いを取ることもできる。必ずしも、元の写真やフィルムを捨てる必要はないが、劣化する前にデジタル化しておくと、後悔せずに済むのでお勧めだ。

 また、写真やフィルムをスキャンした後に重要なのが、データの保管方法。鑑賞用にHDDに入れておくのはいいのだが、別のPCに保存したり、DVDに書き出したり、クラウドにアップロードするなど、複数の方法で保存しておくこと。個人でPCを使うなら、過去の写真はトップクラスに重要なデータ。面倒がらずに、万全のバックアップを行なってほしい。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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