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FLASHアニメ職人・ポエ山さんデビュー10周年記念インタビュー

そんなことより聞いてくれ、>>1よ――「ゴノレゴ」が変えた10年

2012年05月12日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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ハッテン、ワサビ、そしてゴノレゴ

―― その後にゴノレゴが登場するわけですが、全然路線がちがいますよね。

ポエ山 quinoはFLASHのスレでも割と好評だったので、そっちの方向はなかなか手ごたえを感じていたんですが……それはそれとして。

―― ええーっ、成功したのに。

ポエ山 定期的にやってることに飽きちゃって。当時2ちゃんねるでバカ系のFLASHが出てきはじめていたんです。ドラわさびさんの絵描き歌とか、「ギャバン」とか。

―― 中東系の人が出てくるアニメが流行していたような。

ポエ山 ハッテン(Hatten ar din)ですね。

―― それですハッテン!

※ ハッテン(Hatten ar din) : レバノンのミュージシャン、アーザール・ハビブの曲「mīn ma kinty tkūnī」(1984)の一部をリミックスしたFLASHアニメ。独特のシュールな面白さがあり、FLASH職人たちによって多くのバリエーションが生み出された。

ニコニコ動画に転載された「ハッテン(Hatten ar din)」

ポエ山 あれがいちばん初めくらいでしたね、よく分かんないけど笑える、みたいな。それで「こっちもちょっとやりたい」となりまして。当時、TextToSpeechといって、いまのボーカロイドの元祖みたいなソフトに2ちゃんねる用語をしゃべらせるというネタがあったんです。たしか「おにぎりワッショイ」かなにかを。これに長文をしゃべらせれば絶対に面白いと。

―― おにぎりのFLASHは見たような気がします。

ポエ山 それに定型文をしゃべらせてみたら、自分でも爆笑するくらいのものができて。で、この声に合うキャラクターはなんだろうと。渋いオッサンっぽい声だったので、そういうキャラを描いてみたら、なぜかちょっと……どっかで見たような……。

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―― 劇画タッチのキャラに。

ポエ山 はい。ちょっと、似てきてしまって。

―― ありますねそういうこと。

ポエ山 それを自分のサイトにアップロードして、「こんなバカなものをつくってみました」とquino用のBBSに貼って。一晩たったら、裏ニュースというニュースサイトがあったんですけど、そこにとりあげられていて。そこにとりあげられると爆発的なアクセスがくるという時代だったんで、20~30くらいのスレにぼくの書き込みがコピペされて、何万アクセスという数字が一気に来まして。

―― 動画で何万アクセスって当時なかったですよね。

ポエ山 1日で10万アクセスとかありましたね。

―― ゴノレゴシリーズって相当作られましたよね?

ポエ山 最初の「吉野家」から2ヵ月くらいでほとんど作ってるんです。そのあともイベント上映などの機会があれば作ってたんですけど、有名なのは何ヵ月か集中して作ったものですね。

当時の人気を手であらわすポエ山さん

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