Retinaディスプレーの
大きく美麗な画面はやっぱりうれしい
解像度2048×1536ドット(264ppi)のRetinaディスプレーが、新iPadの最大・最強アピールポイントになっている。体感としてはiPhone 3GSからiPhone 4になったときの衝撃に近く、写真が貼り付いているように見える点に加えて、文字がやたらとキレイで、4K2K動画を見てみると視界深度がよく出ているなどなど、解像度が高くなるだけでこうもうれしいのだなと感じた。「あびゃぁwwwキレイwwww」と叫ぶ、編集部員がいたほどだ(筆者はその後ろでRetinaディスプレーに映る黒子の美麗さに拳を強く握り締めていた)。
「ただ解像度が上がっただけじゃん」といえばそれまでだが、家庭用ゲーム機の解像度の発展や、アナログ放送から地デジに切り替わったときの「キレイ!」という驚きと同じ感覚を味わえる。しばらすると当たり前になってしまうのだろうが、やっぱりキレイなのはうれしい。
新iPadで文字を表示してみたところ。YouTubeで「白井黒子」と検索して出てきた画面の一部を撮影した。高精細であるため、文字の視認性も抜群。拡大表示しなくても、細かい文字がそのまま読めてしまうほど
美麗になった代償として体感速度が落ちたということはなく、A5Xのがんばりも体感できる。筆者は、当初iPad 2よりも気持ちレスポンスが遅く感じたが、数日で気にならなくなった。実際、それほど意識しなくてもいいだろう。
またIPSパネルということもあり、視野角が広く、テーブルに置いて数人で画面に表示された情報をシェアするといったことが従来通り行ないやすい。
iPadシリーズを写真のプリチェックに愛用している方、また動画ビューワーとして使っている方の場合、気になるのは発色傾向だろう。iFixitなどの分解情報や各国ユーザーの調査結果からすると、sRGBの色域をほぼカバーしており、下記の色チェックでも同様の傾向を感じた。ただディスプレー自体には個体差が見られる。
カラーチャートでチェック。建物の影で撮影した。色域の再現幅は実に良好で、写真を見ても新iPadに写真が貼り付いている感じでキモい。パネルのクセなのか、「黄ばみ」とはいえないまでも暖色系が派手にでやすい。ちなみに、ほかで見た新iPad(16GB)は青が強かったので個体差だろうか……
新iPad発売当初の分解情報によると、ディスプレーを供給しているのはサムソン、LG、シャープの3社。そのうち、LGは品質問題で現時点では搭載した新iPadはない模様。シャープについて提供を開始するとの発表があったばかりだが、LGパネルとシャープパネルの存在が確認されたとの情報もあったため、混乱していた。
購入レポートのファーストインプレッションでもお伝えしたように、編集部にあったiPad 16GB、32GB、64GBを並べてみたところ、発色としては16GBがややくすんだ印象で、黄色が強めとなった。64GBは発色のバランス良し、32GBは好みが分かれそうだが発色良好という結果だった。グレードによってパネルの品質を分けている可能性もあるが、現時点ではAppleからの発表はない。また可能性として、グレードに関係なくパネルを割り振っている場合は、一緒に同じグレードを買ったのに色が違うというケースもあり得る。この点は、後日詳細にチェックできればと考えている。

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