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自宅のAVシステムにヤマハ製ストライクパックを装着せよ!

ヤマハYHT-S351で聴く5.1ch版マクロス 愛・おぼえていますか

2012年06月15日 11時00分更新

文● 鳥居一豊、氷川竜介 撮影●篠原孝志(パシャ)

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鳥居 「奥さんにAVシステムが邪魔だとか言われてしまうのは、自分だけで独り占めしているから。一緒にハマっちゃえば文句なんか言われませんよ。自分の好きなアニメだけじゃなく、奥さんの好きな作品も見せてサラウンドの良さを味わってもらいましょう」 (C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

サラウンド効果でゲームへの「没入感」アップ!

鳥居 「せっかくHybrid Packなんですから、ゲームもプレイしてみましょう!」

小林 「ストーリーに沿ったステージ構成になっているのは熱いですね。映画の感動を再体験できます」

鳥居 「クライマックスの一条輝の気分でプレイできるのは、感無量ですよ」

小林 「これまで、ゲームでサラウンドはあまり必要ないと思っていましたが、リアル5.1chでプレイすると考えが変わりますね。サラウンドヘッドホンなどに大枚をはたくFPSゲーマーの気持ちもわかります」

鳥居 「後方から迫る敵を察知しやすいとか、プレイの上でも有効ですが、ゲームへの没入度って音がかなり左右すると思うんですよ。ゲーム好きがサラウンド環境を求めることが増えているのも、それに気づいた人が多くなったからだと思います」

『愛・おぼえていますか』のストーリーを追体験できる3Dシューティングゲーム『私の彼はパイロット2012』。5.1chの没入感は格別だ。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

「YHT-S351」はステップアップしていきたい人ための1台

 リアル5.1chの素晴らしさは、体験してみれば誰でもわかるもの。だが、設置や配線などの敷居が高く、なかなか一般的にはなりにくい。とはいえ、サラウンドで制作された作品は、サラウンドでないと味わい尽くせない。

 『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のような、映像・音共に完成度が高い作品にハマってしまった人は、潔く5.1chシステムを導入すべきだ。誌面やネット画面からは聴こえてこない「音」があってこそ、劇マクは完成するのだ。

鳥居 「『YHT-S351』の良いところは、まずはバーチャルサラウンドから入って、後からリアル5.1ch化できること。テレビの音をパワーアップする手段として気軽に導入できるし、必要とあればリアル5.1chにもできる。ゆくゆくはリアル5.1chに挑戦したいという人がステップアップ前提でもよし。価格も約4万円とお手頃なので、ボーナスで手に入れてしまうのもありです」

小林 「僕のように自宅通いならば、比較的導入はしやすいはず。映画・音楽・ゲームのうち1つでも愛好している人ならば、一考する価値がありますよ」

鳥居 「初級者から中級者まで幅広くオススメできます。言い換えれば、長く使えるということです。どんなに安くてもすぐ飽きてしまうようなら高い買い物でしょう。『YHT-S351』は将来的な発展性も含めて、使うほどに良さを実感できると思います」

リアル5.1chで楽しむBD『愛・おぼえていますか』
文=氷川竜介(アニメ評論家)

特別講座その3:BD『愛・おぼえていますか』の見所は?

(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

 過去、技術の進歩に合わせて登場してきた新メディアに対し、『愛・おぼえていますか』は高密度アニメの「指標」として何度となく再リリースを繰り返してきた。

 初公開時のエンディングは演出上の判断で黒味であったが、現在は1987年6月にOVA『Flash Back 2012』の一部として制作されたバージョンとなっている。2007年に発売された二度目のDVD「HDリマスター版」でも、撮影ミス等をデジタルで修正して進化している。

 今回のBlu-ray版では近年さらに進化したリマスター技術を適用して、高密度映像の隅々までブラッシュアップするとともに、『マクロスF』など近作から入ったファンのために「2012年版」として、新たな改訂がいくつか加えられている。冒頭の解説テロップの追加やデジタル技術による制作ミスの修正、撮影効果の追加など、多岐にわたっている。長年のファンであればどこが変わったか探すのも一興だろう。

 特筆すべきは音響である。保存されていた当時の音源に基づき、音楽も含めて全体が5.1ch化された。これは本田保則音響監督が河森正治監督の監修のもと、プランニングを一部調整したものとなっている。バルキリーのフレームイン/アウトやビームの移動感、爆発の残響などリアスピーカーの効果がすぐ分かる箇所も多いが、ぜひとも音楽と環境音に耳をすませてほしい。

『愛・おぼえていますか』は各メディアでのリリースごとの変化を楽しむのも一興だ。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

 まず故・羽田健太郎による音楽は、5.1chによるダイナミックレンジの拡大によって各楽器本来の響き合いがビビッドになり、あらためて胸にせまる押し出しが生まれた。また環境音のサラウンド効果は高密度な背景・作画との連動により、「本来演出としてねらっていた臨場感」が浮き立つ感じがあって驚かされる。

 特に中盤、輝と未沙が死地からマクロス艦に生還し、ドアを一枚あけると昔ながらの繁華街の喧噪が出てくるところでは、そこに醸成される「見知った風景なのに違ってみえる」感覚が、格別に際立つように思えた。5.1ch化によって、なじみがあったはずの音楽・効果音・映像などの本来の持ち味が濃くなる印象それ自体が、この場面で描かれている「異化効果」ともシンクロしているのだ。これは非常に興味深い現象だと思う。

視聴後の歓談は、作品内容を越えて、公開当時の業界事情やビジネスモデルの変化など多岐にわたった。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

 他にも情報の細部が浮き出ることで、「あっ、こういう意図だったのか」という感触が多々生まれるはずだ。それもまた「TVを完全新作としてリメイクする」という本作の「変奏曲」ならではの持ち味と、深い部分で響きあうものではないだろうか。

 もちろん劇場公開時のオリジナル版のままの姿を、ミス含めて愛しているファンの気持ちもよく分かる。しかしことこの作品に関しては、永遠に「変奏」を続けていくのもまた、ひとつのスタイルなのかもしれない。『Flash Back 2012』から始まった変奏の現時点における最新の姿を見て、そんなことを考えさせられたBD化であった。

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