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自宅のAVシステムにヤマハ製ストライクパックを装着せよ!

ヤマハYHT-S351で聴く5.1ch版マクロス 愛・おぼえていますか

2012年06月15日 11時00分更新

文● 鳥居一豊、氷川竜介 撮影●篠原孝志(パシャ)

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「YHT-S351」と追加スピーカーの組み合わせは、まさにストライクバルキリーといったところだ。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

YHT-S351+追加スピーカー=5.1ch=ストライクバルキリーだ!

 サラウンドスピーカー「NS-PB40」をはじめ、5本のスピーカーを設置したところで、肝心の「YHT-S351」を改めて紹介しよう。サブウーファーを内蔵したセンターユニットとフロントスピーカー2本のセットで、基本は2.1ch。しかし内蔵アンプは5.1ch分備えているので、別売のスピーカーを追加すれば5.1chに発展できるのだ。

 HDMI入力は3系統で、DTS-HD MASTER AUDIOなどのHDオーディオにも対応。薄型テレビの音声をHDMI接続だけで伝送できるARCにも対応している。機能的には最新鋭で、BDソフトのサラウンド音声も存分に楽しめる。

 使いやすさのポイントとしては、センターユニットがタテ置きとヨコ置きを自由に選べること。ヨコ置きならばAVラックに収まるサイズだし、タテ置きならばスリムで場所を取らない。

 このほか、USB接続でiPad/iPhoneとデジタル接続して音楽再生ができる。USBメモリーでも同様、またメーカー保証外ではあるが、USB接続の外付けHDDに保存した音楽ファイルの再生も可能な場合がある(その際はフォルダーを作らず、ドライブ直下に音楽ファイルを保存しておくこと)。

 そして、今回の「NS-C705」「NS-PB40」との組み合わせで必要になるのが、専用ファームウェアのアップデートヤマハのページから、ファームウェアをダウンロードし、USBメモリーに保存しておく。後は、USBメモリーを接続し、設定メニューからファームウェアアップデートを実行すればいい。これにより、「YHT-S351」の音質・音量設定が最適化されるので、まさに最初から5.1chで設計されたメーカー純正システムと同様になるのだ。

ヤマハから「YHT-S351」のリアル5.1ch化用ファームウェアをダウンロード。USBメモリーを用意しておこう

小林 「ファームウェアのアップデートは、PCユーザーならば決して難しくないですし、後から追加したシステムでも、メーカーがきちんと調整したバランスで再生できるようになるのはうれしいですね」

鳥居 「マクロスの統合戦争時代を描いた『マクロスゼロ』のクライマックスでは、試作型のVF-0に、試作スーパーパックの一部と無人戦闘機ゴーストを無理矢理装着させた高機動仕様が登場します。劇中ではとんでもないジャジャ馬という設定でしたが、好みのスピーカーを追加してリアル5.1ch化する作業はまさにこれ。組み合わせるスピーカー次第では音質的なメリットは期待できるけれども、バランス調整がすごく難しい」

小林 「対して、『NS-C705』と『NS-PB40』の組み合わせにファームウェアのアップデートまでこなした『YHT-S351』は、きちんとバランスのとれたエースパイロット仕様のVF-1Sストライクバルキリーというわけですね」

鳥居 「リアル5.1ch化で本当に難しいのは、各スピーカーのバランスを整えること。これがうまくいかないとサラウンドの醍醐味は味わえません。だから、『YHT-S351』のようにしっかりとメーカー側が5.1chシステムとして再調整までしてくれるのは、単に珍しいだけでなく、誰でも手軽に本格的なリアル5.1chを実現できる画期的な試みなんです」

小林 「となると、僕が最初に『YHT-S351』を選んだのは本当に幸運だったのですね」

 さて、今回の観賞用に用意したテレビは、東芝のレグザ「37ZP3」。ゲーマーご用達として名高い、小型プレミアム「ZP2」の上位モデルで、37V型と42V型をラインナップする。

 画質向上の面では、超解像技術が最新版のレゾリューションプラス7に進化、新たにカラーテクスチャー復元の機能を搭載した。また、好評のアニメモードは旧作や録画コンテンツを観る際にも効果を発揮。さらに3D立体視にも対応している。

 特徴の低遅延性能はさらに向上しており、ゲームの大敵である遅延時間を、2D時は約0.7フレーム、3D時は約2.3フレームにまで抑える。また、補間フレームを生成しつつ、約1.3フレームの低遅延を実現するゲームスムーズモードも搭載。映像とゲームが1枚のBDに収録されたHybrid Disc仕様の『愛・おぼえていますか』にぴったりの液晶テレビだ。

レグザ「37ZP3」

「デカルチャー!」 仕事を忘れる超絶映像&音声に度肝抜かれた

 リアル5.1ch化も無事完了し、次はいよいよ上映だ。筆者はこの取材に先立って、手持ちのLD版で再見していたのだが、当時としては珍しかったドルビーサラウンドの採用はLD版でもしっかり味わえたし、今になって自前の5.1ch環境で聴くと、前後の移動感や左右の広がり感も良好でとても完成度が高かった。これがリアル5.1ch化でどう変わるのか楽しみだ。

さっそく鑑賞! 小林ディレクターはバーチャルサラウンドとの違いに驚くことしきり。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

 とにかく冒頭のシーンから観よう。不気味な音感のゼントラ語の会話が続くイントロの後、宇宙空間に浮かぶマクロスが姿を表わし、タイトルが重なる。このシーンが大好きだ。マクロスの船体の各所が鮮やかに煌めき、CGとは味わいの違う、鬼のような描き込みで表現された巨大な姿に圧倒される。

 そして、バルキリー隊の発進シーン。シリーズを重ねるごとに、発進シーンはいくつも描かれているが、インパクトを含めて最高の出来と感じる。

小林 「発進したバルキリーが画面を抜けて、突き抜けて行きましたよ!!」

鳥居 「ドルビーサラウンドだと、リアがモノラルなのでバルキリーは画面の中央に突き抜けます。ですが、5.1ch化されたので、右側のバルキリーは右手へ、左側のバルキリーは左手へ抜けて行きますね。音質も元の素材そのままだとは思いますが、低音までしっかりと入っていて音の厚みは段違いに良くなっています」

 さらに観続けていこう。発進シークエンスに続き、艦橋部分に映像が切り替わって司令室のシーンになる。ここでは艦内放送などのやり取りがさまざまな言語で交わされている。この会話や司令室内の音にはさらに素材が追加されたようで、細かな環境音が増え、作戦開始時の緊張感を盛り上げてくれる。

 マクロス世界における多民族・多言語文化は、中国人がヒロインであるなど、TVシリーズでも片鱗はあったが、はっきりと描かれたのは劇マクからと言っていいだろう。アイドルをヒロインに据えた大胆なストーリーや三角関係、完全変形メカなど、いくつもの先駆的な試みが知られているマクロスだが、こうした世界観をきちんと映像化していることも作品価値を増している一因だと実感する。

小林 「一気にミンメイのコンサートシーンです!! レーザー光線とか、ホログラフィック映像とか、制作年代を考えると予言書みたいな映画ですよ」

5.1chの恩恵を存分に味わえるコンサートシーン。時代を先取りした演出効果に見蕩れてしまった。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

鳥居 「ステージらしい音の響きをきちんと再現しているのはさすが。映像の力が凄いので、音が蘇ると現代の最新アニメにも匹敵すると思える豪華さです」

小林 「こうして、テレビにかぶりつきで観るのもいいですが、音の進化を考えると劇場でも観たくなりますね」

鳥居 「30周年記念で再上映するつもりで作ったのかと思うくらい、劇場のための音だと感じます。これは5.1chシステムで聴かないともったいない。

 ミンメイの作画もゾクっとするほど艶めかしくて、振り付けや表情が歌詞・リズムときちんとシンクロしてるんですよ。踊るエンディングアニメーションとか、曲と作画のシンクロとか、最近の流行だと思っている人も少なくないと思いますが、とっくに劇マクでやっていた、と。

 ま、そんなオールドファンの戯言はどうでもいいですが、5.1ch化された高品質の音をしっかりとリアル5.1chで再生すると、映像と音の一体感が増しますね!」

日本アニメ屈指といえるクライマックスシーン。5.1ch化で戦闘音・歌・台詞が一段と迫力を増す一方で、それぞれを聴き取りやすくもなったようだ。(C)1984 ビックウエスト (C)2012 NBGI

 そして、ストーリーを一気に飛ばして、クライマックスのマクロスアタック。若い人だと、制作された時代の古さというか、ヒロインであるミンメイの懐かしいアイドル然とした描写などが気になるかもしれない。だが、歌と一緒に盛り上がっていく戦闘シーンの迫力と高揚感は、当時の多くのファンを虜にしたであろうこともわかると思う。

 伝説級の名作なので、若者も含めて観たことがある人は多いと思うが、有名なシーンを断片的につまんだだけというなら、この機会に通しで再見してほしい。決して、懐古趣味ではなく、新鮮なマクロスシリーズの1作品として堪能できるはずだ。

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