フロントとセンターは同一機種がベスト! な理由
『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』を題材にしたときも少し紹介したが、「YHT-S351」の内蔵アンプは2.1ch(&バーチャルサラウンド)だけでなく、5.1chにも対応しており、センタースピーカーとサラウンドスピーカーを追加するだけで、リアル5.1chシステムに発展させることができる。
従来は、価格帯やサイズが合ったヤマハ製スピーカーを推奨していたが、4月に別売オプションとして「NS-C705」(実売価格:8800円)と「NS-PB40」(実売価格:7600円)が新発売されたのだ。
「NS-C705」は、「YHT-S351」を構成するフロントスピーカーとまったく同じものを単体で発売した格好。一方、サラウンドスピーカー用の「NS-PB40」はグロスブラック仕上げで見た目にもこだわった、コンパクトで使いやすいスピーカーだ。
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小林 「要するに『YHT-S351』用のオプションスピーカーということですよね。しかしスピーカーだったら、別に何でもいいのでは?」
鳥居 「あれ、そんなこと言っちゃっていいんですか? それって、ステレオスピーカーの左右が違うものでもOKというのと同じことなんですよ」
小林 「いやいや、ステレオスピーカーはペアで同じものにしないと音がつながらないじゃないですか!! 特にセンター音像は左右のスピーカーの音が溶け合って浮かび上がるものなんですから」
鳥居 「ええ、そしてそれはサラウンドでもまったく同じなんです」
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ステレオスピーカーで左右を揃えるのが常識なのは、小林ディレクターの言った通り。そして、その理屈はサラウンドでもほぼ同じだ。
特に、同じ前方スピーカーであるセンタースピーカーは、フロントスピーカーと同じものにするのが理想。機種まで同一とは言わないまでも、同じメーカーの同じユニットを使ったものを選ぶのがベター。
そうでないと、左右に移動する音が真ん中あたりだけ別の音になってしまう。いわゆる音のつながりが悪いということになる。
マニアックな話をしてしまうと、これがサラウンドの一番難しいところ。最近はAVアンプなどではスピーカーの周波数特性や位相特性も補正して異なるスピーカーの組み合わせでもきちんと音がつながるようにする機能もある。
しかし、それで万全というわけにもいかず、やはり5.1chのスピーカーをすべて同じにするのが理想だ。特に前方3本のスピーカーは情報量がリア側よりも多いため、スピーカーを同一にするメリットは大きい。センタースピーカーの「NS-C705」が、「YHT-S351」の付属フロントスピーカーと同じものであることにはちゃんと意味があるのだ。
その点、バーチャルサラウンドは、音を出すスピーカーが前方の2本だけなので、少なくとも音色のつながりの問題はない。あくまでも脳が後ろから聴こえていると錯覚するバーチャル再生ではあるが、案外包まれたような音場を感じられるのは、音のつながりが良いからだ。